8000ヒットお礼A(スレナル)
あれから無事にたどり着いたわたしたちは依頼人さんが泊まるという宿まで見送った。

「ありがとうございました」

依頼人さんは頭を下げ、宿の中に入った。

「よし、ババアのところに行くぞ」

「え?誰ですか、わたしは今から火影さまのところに――」

言い終わらないうちになぜかわたしは烏にだっこされ、飛んでいた。

「ちょっと何なんですか――!」

「まあまあおとなしくしろって」

後ろからきた鶯さんが言う。おとなしくなんかできないって!

しかしそう暴れる間もないまますぐに止まった。見ると火影室だ。

「え?え?」

わたしが混乱している間も烏さんは止まることなく、わたしを抱えたまま火影室を開いた。

「ババア!」

「誰がババアだ!」

火影さまは宝くじの番号を参照していた新聞を烏さんに投げつけたが何事も無く烏さんは避けた。

「なんでこいつにしたんだよ!?」

「ぎゃーぎゃーやかましい!」

なんなんだ、一体。今の言い方だとわたしを知っているみたいだ。

「あの!とりあえずおろしてください!」

わたしがそう叫ぶと烏さんはしばらくためらったがすぐにおろしてくれた。

それで少し冷静になったらしい烏さんは、なんでれんげが、と言った。

「――なんでわたしの名前を知ってるんですか?」

「知らないのか?」

驚いたように烏さんの後ろで鶯さんが言った。

「え…何をですか?」

わけがわからず言うと、静かに烏さんが面を取った。

「って、ナ――!?」

叫ぼうとすると烏――もとい、ナルトがわたしの口を塞いだ。

「確かに俺は下忍を送れとは言ったが…」

「知らない奴を送れば心配だからな、れんげなら何があってもお前が守るだろう」

まだなにか言いたそうだったナルトはそこでぐっと黙った。

「その証拠に敵の半分以上は倒してるしな」

鶯さんは暗部服を脱ぎながら言う。

「半分以上って…」

「ざっと八十人ほどだろうな」

「え――てゆうか、シカマル…!?」

暗部服を脱いで出てきたのはシカマルだった。

「もういいだろう、さっさと帰れ」

火影さまは宝くじをどこかに捨てながら言い、わたしたちは火影室を出た。

ナルトはすぐに暗部服を脱いでどこかにしまった。いつものナルトに戻っていた。

そこでわたしは、何かがふつふつとこみ上げてくるのを感じる。

「任務…任務って、そんな無理ばっかりして」

「悪かったって、また今度休み取るから、な」

きっとわたしはナルトを睨む。彼はびくと肩を震わせた。

「なら…ここでわたしが好きって言って」

「はあ!?」

ナルトは目を大きくして、シカマルは笑っていた。

「そんなの、言えるわけねぇだろ」

当たり前だ。言えないことを選んだのだから。それにこれくらいしておかないと、何度もこういうことが起こるかもしれない。

「じゃあいい。もうこれからは会わないから」

「なっ…!?」

「総隊長がひるんでるぜ」

わたしはかまわず歩きつづけた。

同じような問答をしつづけて、いつのまにか目の前にはサクラの家があった。

くくくと後ろで笑い声と謝罪している声が聞こえてくる。どうやらまだシカマルはついてきていたらしい。

「はーい…れんげ?」

「サクラ、聞いてよ、休みまたとるから許してくれだって。信じられる?」

きっとひどく狼狽しているナルトを睨みつけて言う。

「サクラちゃーん…助けてくれってば」

「…残念だけど無理よ、れんげにこってりしぼられなさい」

がくんと落ち込むナルトを鼻であしらって、わたしはいのの家に行くことにした。

「いいわね、行きましょ」

サクラもこの状況を楽しんでいるようだ。

いのの家に行く途中、なじみの顔を何人か巻き込んで、いのの家に乗り込んだ。

事のあらましを説明すると、そんなのあったりまえじゃない、とやや怒ったように言った。

「それで、わたしに好きって言えって言ったの」

「ええぇー!!?」

いのとサクラが同時に叫んだ。他の皆も驚いている。

「れんげ、本当に本気か?」

ナルトがすこししぼんだ感じで訊いてくる。ちょっとだけ素になっているのがさらに哀れだ。

「当たり前。言わなかったら今後一切会いませんから」

「うぐ…」

わたしの強い言葉で彼はさらにちぢこまった。

「こんだけ人が居るのにか…?」

「諦めろ、ナルト。言わなきゃマジでれんげは実行に移すぞ」

シカマルが横からとどめを刺した。

あんまりひどすぎるとかわいそうだからそろそろ勘弁しようかと思っていたが、分かったよ、と諦めたようにナルトが言ったのでわたしは事の成り行きに従うことにした。

周りの皆が野次を飛ばし始めた。しおれたなりに居住まいを正したナルトが、あー、と声を出すと、すぐさま静かになった。

「……」

じっとナルトを見つめる。彼は全く目を合わせてこない。照れてる証拠だ。

ぐっと皆がナルトを見つめている。ぴんと張り詰めた空気の中、彼がやっとわたしに目を向けた。強い目だった。

「れんげ、好きだ」

飾り気のない、正真正銘の彼の言葉だった。

それを理解したわたしは嬉しさと恥ずかしさで身体中が熱くなった。

「よく言った!」

誰かが言い、みんなが一斉に騒ぎだす。

わたしはじっと口に両手を当てながらナルトを凝視していた。彼は照れたようにがしがしと頭をかいている。

わたしはどうしようもなく彼を抱き締めたくなって、人目もはばからず抱き締めた。騒がしい中、彼にだけ聞こえるように、ありがとう、と言った。

「れんげぐらいだな、総隊長をこんだけ困らせるのは」

シカマルがあーあとめんどくさそうに言う。うるさいので回りのみんなには総隊長という言葉は聞こえていないだろう。

ナルトがそっとわたしの肩に手をのせたと思ったら、わたしを引き離して、てめぇも告れ、とシカマルに叫んだ。

その後みんなに誰だと問いつめられたのは言うまでもない。














長らくお待たせした上、なんだかわけがわからないものが…すいません(汗 みょうに長いし…
とにかくありがとうございました!!
それといつの間にやら一万ヒット!!!??本当にありがとうございます!!!これからもがんばります☆
(でももうそろそろ大学の二次試験なのであんまり更新できないかもしれません´_`;;)


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