日曜の朝(スレナル)
朝、目が覚める。ちゅんちゅんとすずめの鳴き声が聞こえて、カーテンでも抑えきれないほど太陽の光が明るい。
しゃっと勢いよくカーテンを開けると、きれいに晴れ渡っていた。鳥が目の前を飛んでいく。窓を開けると少し冷たい風が入ってきた。
今日も任務だ。すっきりと起きられて、今日もがんばれそうだ。
ちゃちゃっと服を着て、リビングに行く。そこにはもうすでに朝ごはんが用意してあり、父も母も食べようとしているところだった。
「おはよう!」
「おはよう、れんげ。ちょうどいいところだったわね。食べましょう」
さっそくテーブルにつき、いただきますと言ってからいっきに食べ始める。寝起きなのに母の手料理は本当においしい。
「今日も一応ナルト君の朝ごはん作ってあげておいたわよ」
「今日も行くんだろう?」
「うん、もちろん!」
ナルトくんはアカデミー時代から大人の人にいい顔をされていなかったが、父と母はそんなこともなく、他の子供と同じように接していた。わたしもそんな二人の対応に安心してナルトくんと仲良くなったのだ。
でも実は、彼がただの下忍ではないことをわたしたちは知っている。わたしたち、とはつまり父も母もだ。父と母は詳しい役職を知っているかもしれないが、わたしは知らない。彼は下忍ではありえない、そもそもそこらの忍では考えられないほどの強さを持っているのを知っているだけだ。
ただ、すごい忍なのに食生活はまったく気にしない。とりあえずお腹が満たされればいい程度だ。わたしたち家族はそれだけを心配している。
おいしいおいしいご飯をすぐに食べ終え、歯を磨いてわたしはナルトくんの朝ごはんを手に持った。
「じゃあ行ってきます!」
いってらっしゃい、と最後のほうは遠くなりながらわたしは走っていった。
だだだだと玄関まで走りこんで、ぴたりと止まる。息が乱れていないのは忍だからだ。そこはきちんと自慢しておく。当たり前のことなんだけどね。
表札も何もないドアをノックしてみる。すぐに声が聞こえてすぐにドアが開いていたのに、今日は何の反応もない。
耳を澄まして部屋の中の様子をうかがってみる。物音がしない。本当にしんとして、空気がまったく動いていない。
ちょっと心配になって、ドアノブをまわした。ドアを引いてみる。鍵に止められることなくすっと開いた。
部屋の中は薄暗かった。カーテンが閉められているのかもしれない。窓を見ると、きっちりとカーテンが閉めてあった。
その下にベッドと金髪の頭が布団から出ている。やっぱりまだ寝ているようだ。珍しい。
いつも時間に厳しいナルトくんは、わたしが朝食を持ってくるころにはきちんと起きて、朝食を食べなくても任務に行ける状態にまで支度してある。わたしがたまに遅れてしまうと、すごく怒るのに。
今日は肝心のナルトくんが起きていない。何かあったんだろうか。
なるべく音を立てないように部屋の中に入った。起こさなければいけないのに、起こさないようにするのもおかしいことだけど、なんとなくそうしてしまう。あのナルトくんがまだ寝てるんだから、よっぽど眠たいんだろうなと思ってしまって起こしたくないのかもしれない。
朝食をテーブルに置き、ナルトくんに小さく声をかけた。
「ナルトくん…?」
返事がない。じっと待ってみるとうんとわずかに聞こえた。
「起きないの?」
「…うん」
うんって!と声に出しそうになるのをこらえた。
「もう朝だよ」
「うん」
「朝ごはん持って来たよ」
うなるように返事して、ふとんを頭まで持ち上げてかぶりこんだ。背中向けられているのがなんとなく悲しい。
「冷めちゃうよー」
今度は返事がなかった。
「めずらしいなあ…カーテン開けちゃおうかな」
とは言いつつも、ベッドに近寄ってナルトくんをゆすった。カーテンを開けるのはなんとなく止めておきたい。
「ご飯食べようよー」
うーん、と嫌そうにうなっている。それでもわたしがあきらめずにゆすると、いきなりこっちを向いて、手をがっしりとわりと強い力でつかまれた。両手一気にだ。そのまま自分の顔の近くに持っていくのでもうゆすって起こすことができない。
「あとごふん…」
仕方なくわたしはしゃがんで、こっち向いてる顔を真正面から見た。ちょっと眉間にしわがよっているように見える。それでもしっかり目は閉じている。
「5分だったらあきらめて今起きて」
「…やっぱりじゅっぷん…」
手をもたれているので身動きできない。仕方ないなあというとナルトくんは嬉しそうに顔をゆるめた。
「れんげもねたら…」
とくに考えることもなくナルトくんが寝ているふとんにわたしも入った。ふとんの中は、当たり前だが、あったかくて、わたしもそのうちすぐに意識が遠のいた。
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某ニコニコの動画で、「あと5分、いや10分待たせて」と言われて思いついたものww
20101020
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