きみのにおいをまだ、(サスケ)
しらぬ間に彼女の気配を探していた。
三年前にすべて捨てて来たつもりだったのに。
今日も街を歩いては、知らず知らずのうちに彼女を目で探している。
彼女は比較的おとなしい性格だった。
いつも落ち着いていて下忍のわりには何があってもたいがい冷静にものごとを処理していた。
彼女は任務がなければいつも一人で、家族はいるらしいが、一種の孤独感が彼女の片隅に張り付いていた。
今思えば、そこにひかれたのかもしれない。
それでもなんとなく一緒にいたうち、笑顔やひどく取り乱したときなどの珍しい彼女をみた時は嬉しかったように思う。
オレはただ歩いた。
後ろの三人は何も疑うことなくついてくる。オレははっきりと目的地を持っていないのに関わらず。
れんげもまた、任務があればこんな街に来るかもしれない。
オレは彼女に逢ったとき、どうすればいいんだろう。
彼女は、笑顔で迎えてくれるだろうか。
街を抜けたオレたちはしばらく歩き、大きな建物が並ぶところへ来た。変わらない調子で中のほうへ進む。
「へぇ、こんな所にアジトがあったんだ」
特に感心したふうでもない水月にオレは適当に応え、建物の中に入った。
――きっとこれからも彼女に出会わずにオレは自分の目的を達成していくだろう。
なんだか微妙にわけわかめ…
20080206
title by ひかりのむこう
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