最強?支配者(ナルト)
夜も大分過ぎて、満月は真上に昇っている。
わたしはしかし火影の側近、いわばお守り役をやっていたのでまだ帰れない。というのも、火影の仕事がまだ残っているからだ。こんなことは日常茶飯事だった。今日はまだ早いほうかもしれない。でもまだまだ仕事は残っている。
ナルトは史上最年少と呼ばれる歳で火影になった。しかも階級を上げることなく下忍からいきなりだ。何か裏で手回しされたのではないかという噂も出回ったが、実力は確かだった。
わたしはとりあえず一息をいれることにした。ソファにゆっくりと腰をおろして長く息を吐き出す。
突然、ナルトがわたしを呼んだ。
「どうかした?」
「…今日は帰さないってばよ」
にっこりと、絶対無意識で、悩殺級の笑顔を向けられて、わたしは一瞬止まってしまった。
しかしはっと我に返って彼の周りを見回すと、どうしたって現実に引き戻される。
「いやいやいやいや、あんたこの仕事わたしに押し付ける気まんまんでしょ」
思わず嫌な顔になってしまうのは必至だ。視界にも入れたくないぐらいだったが、ぎっとそれらを睨みつける。
「俺ってば漢字が読めないんだって」
「ふーん。で?それとわたしに何の関係が?」
ナルトは変わらず微笑みつづけている。
「代わりに読んで」
「…なんで火影になれたのかはなはだ疑問だわ…」
ていうか、今までどうしてたのよ、と言うと、これが今までの分、と目の前の紙の山を指差しておそろしいことをのたまった。
どうりで減らないわけだ。言わなかったわたしもわたしだけど…。
「やれるだけはやったってばよ?ただ無理そうだなーってやつがだんだん増えてきたってだけで」
「分かった、分かったから。とりあえず読んでいって。分からないところは教えるから…」
なんだか疲れが一気にやってきたようだ。わたしはソファにもたれこんだ。
頭はいいはずなんだけどなー…記憶力がないのかしら。
「れんげー」
ぼけーっと考え事をしていると困ったようにナルトがわたしを呼んだ。
「何?」
「ぜんっぜん分からないってばよ」
そう言ってぴっとわたしに紙を差し出してくる。きらきらとした笑顔が嘘っぽく見えてしまうのはどうしてだろう。
「…じゃあ始めから読み上げますよ、火影様」
「うん、始めて」
それほど難しくない漢字やたまに出てくる難しそうな漢字を読み上げながら、あれそういえばいつかだったかシカマルさえ解けなかった暗号をさらさら解いてなかったっけ、と思ったが見慣れない漢字が出てきたのでそっちに集中するほかなかった。
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じつはスレてたらいいなっていうお話v
20090121
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