透明なみどりのような(スレナル/ほのぼの…?)

馴れ合うことができない。

あれだけ無防備に、相手を信じきって笑うことができない。

そう言うと、彼は興味などなさそうに、べつにいいんじゃないか、と言った。禁術書を見つめたまま、禁術書に囲まれたまま。

その様子に、三代目は何も言わず複雑な笑みをこぼした。

わたしは少し拍子抜けして、しかし彼ならばそう答えること以外考えられなかったので、少し乗り出してソファに座っていた姿勢を正した。

まっ昼間の火影室、外ではきらきらという音が似合いそうな青い青い空があり、ぬるくも冷たくもない心地いい風がするすると通り過ぎていく。火影はいつもどおり仕事に追われるわけでもなく、ただ穏やかにすべてを見ながらそこに座っている。

そしてこんな時間からそんな姿で、いてはいけないはずの彼は、さらに普通に考えてありえないもの――禁術書を悠々と床で読みふけっている。

わたしは何故彼がここにいるのか分からないので、いつ誰が来るかひやひやしながら自分の悩みを打ち明けていた。なぜここでこういうことになってしまったのか、未だに疑問に感じながら。

「…で?」

黙り込んでしまったわたしに、彼はいささか不機嫌さをにじませながら一言で先を促した。

「何?」

わたしはその態度になんとなくつっけんどんに返す。

「それだけ?」

ちらと確認するようにわたしをみたあと、少し目を細めた。これは機嫌が損なわれているあらわれだ。まるでそんなものは取るに足りないものの事のように、彼はもっとほかにないのかわたしに求めている。

それに、わたしはいらだたずにはいられない。なんなのよ、その言い草。

「悪い?」

口を尖らせて言い放つと、彼はすぐに禁術書に戻った。

「ようするに」

彼はそこで一拍止める。いつもの癖だ。わたしはすかさず、何よ、と言い返した。

「お前は年頃の女の子のようにはしゃぎたいと、そういうことだろ」

わたしは呆れて何もいえなくなる。

「友達いなかったか?」

「…いるけど。いるけど」

彼は相変わらず禁術書から目を離さない。火影様はずっとわたしたちの様子を見ているだけだ。

わたしは思わずうつむく。なんだろう、なんでわたしはこんなことを話してるんだろう。もう割り切ったつもりだったのに。ぐっと手に力を込める。立派な忍になるためだって。

「もういい」

わたしはどんぞこの気分で、この話を切り上げることにした。わからない、わからない。こんなこと無駄なのに、なんでこんなところに来てまでナルトに相談してるんだ。

ため息が聞こえたので顔を上げると、彼が禁術書を片付けていた。

「何、帰るの?」

ぼんと小気味のいい音を立てて本たちが消えた。

「別にそれはお前だからいいんじゃないのか?嫌なら変えればいいだけだし」

「そんな簡単に…」

「しつこい。はっきりしないもんを俺に押し付けるな」

今度はわたしがため息をついた。

「押し付ける気なんてさらさらない。なんで言い出したかわからないもん」

彼は少し驚いたような顔をして、うつむき加減に笑った。

わけがわからず、わたしは眉をひそめる。

その時、こんこんと扉が叩かれた。

失礼します、と声が聞こえて扉が開くと、サクラが顔をのぞかせた。その後ろにはサスケがいる。

「あれ?なんであんたがいんのよ、ナルト」

彼はさっきの顔など嘘だったかのように、いつものように、にっかりと笑った。

「サクラちゃん!じいちゃんに呼ばれたからだってばよ」

サクラとサスケがわたしたちのところまで来ると、火影様がようやく口を開いた。

「さて、そろったようじゃな。今日はおぬし達に連絡があってな」

火影様はそこで止めてにっこりとわたしに笑った。わたしは首をかしげる。

「第7班にれんげを加えようと思う」

「え?」

四人の声が重なった。わたし、火影様に呼ばれてなかったんだけど…。

そこでサクラが遠慮がちに声を上げた。

「あの、班はフォーマンセルが基本なんじゃ…」

火影様はにっこりとこたえる。

「あくまで基本じゃ。例外もありうる」

他に何かないか、と聞いてしばらく反応がないのが分かると、火影様は、れんげはそれでよいな、と訊いた。

「え、わたしは、誰とも班を組んでなかったのでいいですが…」

「よし。なら決定じゃ。それで、今日はカカシが特別任務で今はいないから今日の任務はなしじゃ」

やったー、と勢いよくナルトが叫んで、サクラの提案で、わたしたちは一緒にお茶することになった。









・・・・・・・・・・
ヒロインがナルトにわけも分からず相談をしたのは、ナルトをそれだけ信頼していたから、ってことでどうですか(´`;;

久しぶりの突発アップです、課題どうしよっかな!笑涙
20090113
(平成21年!今年もよろしくおねがいします!)
すいません、なんか解説入れないと分からないような気がしてきたので解説!

下忍の班を決めるとき、一人だけ余ったのがヒロインで、それでもそれに関係なく強くなるためにも、一人でやっていこうと割り切ってました。
でも、わだかまりが残ってついに火影に相談しに行ったらそこにナルトがいて(ナルトの正体知ってます)、悩んでることを彼に見破られて、言わなくても良かったがなんとなく悩みを言った、ということです。
ちなみに火影はもともと今日は任務が休みだということを言うためにナルトたちを集めたが、ヒロインの悩みを聞いて急遽ヒロインを7班に入れた、と言うわけです。

…話に入れろってはなしですよね…(^^;;;スイマセン
20090116


あきゅろす。
無料HPエムペ!