walk hand in hand 2


家に無事着くとわたしはさっそく自分の部屋で傷に薬を塗った。長袖、長ズボンに着替えてお父さんとお母さんのところに向かう。

「ただいま」

彼らは台所にいて、わたしが言うとすぐに振り向いて、おかえり、と言った。

「また今日もこっそり帰ってきたのか?」

苦笑気味にお父さんが言う。こっそり自分の部屋に帰ってくるのは今日に始まったことではない。

「うん」

そう、と笑いながらお母さんは言った。もうちょっとで晩ご飯ができるから、まっててね。

お父さんはわたしの頭をなで、座りなさい、と言った。話があるんだ。

「話?お仕事?」

「ああ。れんげに頼みたいことがある」

お父さんはさっきまでの微笑みを消して、真剣な顔になった。

「これはれんげにとってはじめての仕事だな。今まででも簡単なものをやってもらっていたが」

そこでお父さんはためらうように一拍置いた。いつのまにか隣にお母さんが座っている。お母さんがそっとお父さんの肩に手を置いた。

「もうれんげは一人前の忍よ」

「…ああ、そうだな、れんげ、今回の仕事は危険が高いんだ」

そこでお父さんがまたためらうように話を止めてしまったので、なに、とわたしは催促しなければならなかった。わたしには拒否権はないのだ、だから危険があっても、仕事は引き受けなければならない。

「ある男が一族の抹殺を目論んでいる」

「え…!?」

そこでお父さんは小さく笑った。

「ののかげじゃないぞ、別の一族だ」

わたしはとりあえずほっと息をついた。でも喜ぶことじゃない。

「木の葉の里の?」

「ああ、うちは一族だ」

台所の小さい窓から風が入ってご飯の匂いがした。窓の向こうはしっとりと闇が落ち始めている。

「れんげにはその男の監視をしてもらいたい」

「監視?殺さないの?」

「ああ、殺すには危険な男だ。れんげは気配を消すのが得意だから、監視を頼みたい」

わたしは納得するほかなかった。仕事の内容にあまり首を突っ込んではいけないということになっている。

「監視するだけ?」

「そうだ。何があっても姿はさらすな。何があったか無線で逐一報告するんだ。もし自分の居場所がばれたらすぐに逃げろ」

それだから里の人たちからいじめられるんだよ、とは言えなかった。これはののかげ一族全員の掟だ。代わりに、わたしも戦えるのに、と言った。

お父さんはふっと笑ってまたわたしの頭をなでた。

「そうだな。でもどれだけ危険なのか、監視をしていれば分かるだろう」

わかった、とわたしは納得したふりをした。お父さんとお母さんはにっこりと笑って、ご飯にしましょう、と言った。









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うーん…結局何がしたいのかわからなくなってきました;;

はげしく自己満足にいってるような気がします…
20080530


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