雨のようにさようなら(サスケ/相互記念夢)
水にむせたアスファルトの匂いがして顔を上げた。
「雨よ」
近くに居る彼に話しかけると、特に気にもしないふうにちらりとわたしを見てそれきりだった。
「サスケが来るといつも雨ね」
窓にかかった滑らかなうざったいカーテンを手で避けると軽やかな雨空が見えた。
窓枠に全体重を持たせかけて雨を眺めていると彼がそっとわたしの髪に手をかけた。そのままわたしを窓枠の端まで追い詰めて、顔を近づけてきた。
「今度はいつになるか分からない」
そうとわたしは彼の目を見て答えた。視界の余ったところに雨が映りこむ。
とくに申し合わせたわけでもないが、彼とわたしは時間があれば会っていた。特に意味は無いし、意味を求めようと思ったこともない。
時間があれば、とはいったものの、彼はやることがあったし、時間なんてほとんどないに近しい。わたしはすることがなかったので放浪していたがたまに思い出したように彼に会いに来る。あるところで自分を縛りつけておかないとおかしくなってしまうのかもしれない。
いつもは次に会う日など決めない。だから今日のこの言葉は頭に引っかかるものだった。
「もう、会えないの?」
まるで馬鹿な女みたいだ、と言い終わった後に思った。こんな軽軽しくて自己中心的な女に、自分はいつなってしまったんだろう。
彼は表情を変えない。少しだけ首を傾けて、わたしの髪をかきあげた。
もういいよ、とわたしは心の中で呟いた。もうこれ以上優しくしないで欲しい。彼はそう思っていないかもしれないが、彼の行動一つ一つのすべてに優しさがあふれている。だから、もう。
雨のようにさようなら
(結局すべては自分を守るため、あなたにさえ傷つけられたくないのよ)
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紅蓮さまにささげた夢です(^^
なんかものっそいかたよってるし暗いしで…申し訳ない感があふれまくってますが快く受け取っていただきました(°°天使…!?
とにかく、相互ありがとうございました!
20080506
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