04
がさり、と聞こえて知らない間に囲まれていた。
あーあ、またサスケとか水月とかにどやされるなぁと思いながらため息をついた。
すると音もなく隣にサスケが現れた。
「何してるんだ」
「…散歩」
はぁ、とサスケはため息をつく。
すると周りの気配が揺れて一人が襲いかかってきたが、サスケがあたしをかばって敵を倒した。
「れんげは隠れてろ」
「えー、なんで?」
「危ないだろ」
何それ、と抗議する前に敵が束になって襲いかかって来たのであたしはどうすることもなく陰に隠れることになった。
そもそも、だ。
サスケが何故か今日はいつもより速く歩いてたからぼけっとしていたあたしは置いてきぼりをくらったのだ。
それで適当に歩いているとあっと言う間にわけの分からない森に行き着いて迷った。
色々と思い出していると、遠かったサスケの背中を同時に思い出して、訳も分からずあたしは苦しくなった。
そうやって一人考えていると、いつの間にやらサスケが目の前に居た。
「…相変わらず速いお手際で」
サスケのことなど見ていなかったがあれだけの数に1分もかからずにあたしの目の前に現れたのだ、早くないわけがない。
「…行くぞ」
あたしの皮肉なんてまるで聞いてないようにサスケは歩き出した。
「みんなは?」
本当は皮肉なんて言わずに、ありがとう、と言わなければならないんだ、とあたしは思った。
「仕事だ」
素直にならなきゃいけないのに。
「…そっか」
今度は注意深くゆっくりサスケの後をついていく。ひっつき過ぎないように、離れすぎないように。
するとサスケがあたしを振り向いた。
きっと彼のことだから全て分かってくれてるんだろう。
何から何までしてくれる彼に心底感謝しながら、
「ありがとう」
と聞こえないほどの小さな声であたしは行った。
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