馬の如く
「Honey! 次は俺がやる」
自転車に買い物袋を乗せていると政宗が突然そんなことを言い出した。
「でも・・・・最初難しいよ。私も重いし」
「Ha! 上等じゃねぇか。俺をなめるなよ」
政宗はまるで有無を言わせないような態度でサドルに跨る。仕方ないので私も後ろに乗った。
「Are you ready?」
「たぶん・・・」
そう言えば政宗は勢いよく力一杯ペダルを漕ぎ出した。
「ちょ・・・・っ早い」
どんどん歩く人や自転車を抜かしていく
「Ha! 風が気持ちいいなHoney!」
「嫌、怖い・・・・っ」
なんかいつの間にか落ちてそう。私は頑なに目を瞑る。
「大丈夫だ! 俺に委ねな,you see?」
そう言えば政宗は座席を掴んでいた私の腕を引っ張って自分の腰を強く掴まらせる。
「Ah〜ちょっと予想外だな」
「何が?」
「・・・・上等だ、honeyは天然だな」
「 ? 」
政宗が言いたいことは結局わからなかったけど、不思議と政宗の腰に掴まってると不安は取り除かれてく。
なんでだろうこんなに振り回されても不快に思わないなんて。
政宗だからなのかな・・・・・。
「ありがとう、政宗」
「Ahー? いきなり何だよ」
「ううん・・・・」
私は政宗の腰に掴んでいた腕をぎゅっと力を入れた。
「・・・・・。惚れたか?」
「馬鹿」
心地良い風に包まれ、政宗が本当に楽しそうに笑うもんだから、私もつられていつの間にか笑っていた。
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