季節SS
@
明日は…三月十四日。

…ホワイトデー、だ。

バレンタインの時は…
チョコたっぷりな智をもらったんだっけ…。

ふと…あの夜の光景を思い出し口元が緩んだ。

購買部のガラス戸を閉めて鍵をかけ、そのまま職員用出入り口に向かう。

お返しに…なにを買ってやろうか?

そんな事を考えながら外に出て校舎裏の駐車場に着くと…。

「あ、きたきた!」

「拓真!」

止めてある俺の車の横に…良介と柊の姿が。

「…なにしてる?」

「ホワイトデーのお返し買いに行くんだろ?」

「俺達もお供しまっせ!」

…は…?
なに嬉しそうにしてやがるんだコイツら。

「…断る。」

そう言ってドアを開けて中に入ると…
すでにヤツラ、座席に座ってやがる。

「…オイ…何してんだ。」

イラ付く俺に視線を向けて良介が不満げな声で。

「買い物くらいたまにはついてってもいいだろ?」

その後席で、柊が顔の前に手の平を合わせて。

「ボス!お願いします!」

…くそ。

この突発コンビ…
何だかスゲェムカツク。

―が。

…しょうがねぇな…。

「俺は駅ビルに行くけど…そこでいいのか?」

二人が顔を見合わせて嬉しそうに笑った。


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あきゅろす。
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