K I R I B A N
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それからもう一度セックスして…ぐったりな俺の身体をキレイにしてくれた拓真が隣に寄り添い唇に触れるだけのキスをくれた。
「もう…ご飯の支度はできないからね。」
「いいぜ。」
むくれてる俺を見下ろして拓真がやんわりと笑う。
実際…
いつもより激しかったおかげで腰はガクガク。
キモチよかったけど…そのあとがね。
苦笑いを浮かべて俺を見下ろす愛しい人を見つめた。
「美術の課題、ホントはなんて出たんだ?」
突然の台詞にガードが緩み顔が赤くなる。
"しまった"と思った時にはもう遅くて。
「ん?言ってみ。言わねぇと…また突っ込むぞ。」
「もう無理だってば…」
動かない身体を必死にずらして小さな抵抗。
でもそれも阻まれ散々繋がったソコにまた指が挿れられて…。
「やっ…もう無理…!」
「んじゃ言え。」
そう言われ、渋々口を開いた。
「…身近なものの…デッサン…」
「はしょるな。」
"知ってる風"な口ぶりに思わず息を飲む。
ならば…と諦めて。
「『身近にある、好きな物や大事な物を愛情込めて』デッサンしてこい…って。」
と、"正式名称"を述べた。
見上げた拓真は…やっぱりニヤニヤ。
どっちかっていうと…ニコニコ?
「んで、お前が選んだのが俺ってワケだ?」
「……………うん。」
顔が熱い。
まるで焼かれてるみたいな熱さに顔を掌で包み込む。
「好きで大事…か。」
反芻されて更に顔が熱くなって…。
ギュッ。
強く、抱き締められた。
「たく…?」
「…嬉しいぜ。純粋に。」
耳元で囁かれる少し照れたような声に身体が…そっちの意味でまた熱くなる。
「お前の"好き"で"大事"の候補に俺がのるなんてな。」
「…一番最初に思ったんだよ。」
今更ながらカミングアウト。
この"課題"が出されて真っ先に想い浮かべたのは拓真だった。
怒った顔も笑った顔も…俺を抱く時のいやらしい顔も全部を想った。
「…んで、最終的に選ばれたのが"手"っつのが微妙だけどな。しかも利き腕じゃねぇ方だし。」
「…ははっ。」
鋭いツッコミに苦笑い。
それでも…俺を見つめる拓真の瞳はいつもよりも優しくて。
俺は…またこりずに恋におちた。
「さて…」
ギシッ。
横にいたはずの拓真が…俺の上にのしかかってきて……?
「三回目。」
「えっ!ちょっ…無理…っ…」
そしてお言葉通りの三回目に突入した。
いつだって大切なのは愛しい拓真。
記憶に残したいのも…全部そう。
愛してやまない愛しい恋人に抱かれ俺はまた掠れた甘い声で"拓真"の名前を呼び続けた。
‐END‐
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