K I R I B A N




ジャーッ…という水の音を聞きながら俺はそのドアの外でそわそわと落ち着かずウロウロ。
帰ってきてたくさんのキスをくれた大葉は只今イブニングシャワー中。

「…一緒に入るって言えば良かったな。」

ポソリと呟き見えないすりガラスの奥を覗き込む。

入る前にそう聞かれたのに俺ってば…さっきの"足が痺れちゃった事件"で軽くヘソを曲げてたり。


あー…
全く俺ってば…!


大好きな恋人のせっかくのお誘いを…って溜め息。
…すると。



ガチャ。



いきなりガラス戸が開いて中から濡れ髪の大葉が顔を出して。

「芹、悪いんだけどタオルを取ってくれるか?」

…って言って。

「あ、はい、タオルね!」

わたわたしながら立ってる場所の足元にある引き出しを開けて真っ白いそれを取った。

「はい、どうぞ。」
「ありがとう。」

てっきり閉まるもんだと思ってた戸はそのままで…俺の大好きな大葉は裸のままそこでワシワシと頭を拭き始める。



ドキドキ…



目のやり場にメチャクチャ困るんですけどっ。
足元を見てる視線をチラチラと大葉に向けてはそのバランスのとれたキレイな身体を盗み見る。

なんか…
大葉、肩幅が広くなった?
腕が少し逞しくなった?

チラチラと見る回数が増えていき…最後の方は、ガン見。

「ん?」

…してればそりゃ目も合いますよ。
恥ずかしいけど…視線は外さず熱い熱い"チューしてビーム"を全開にして。

「おーばっ!!」

そのキスが待てずに俺は愛しい大葉に飛び付き、カタチのいい唇にキスをした。





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