K I R I B A N
1
青い青い空が広がって今日もすこぶるいい天気。
こんな日はあれだね、お弁当とか持って外でデートとかしちゃってー……。
ふうぅぅ…。
深い溜め息。
寮の部屋の窓枠にダランともたれて外に向けて更に深い溜め息を吐く。
こんないい天気なのにさー、大葉はお出かけしていて留守なのです。
しかも昨日はバイトで帰りは遅かったし…ってすでに俺は二日もほったらかしにされてて。
「………淋しいじゃんかー。」
溜め息をつくと幸せが逃げるっていうけど今の俺の幸せ度数は"0"。
もうなくなりようがないからいいよね?…ってことでまたひとつ溜め息をついた。
「おーばぁ…………」
「ん?」
突然の声にビックリして振り返ると。
「おーばっ!?」
「ああ、ただ今。」
部屋に入ってきた大葉が後ろ手にドアを閉めるところで。
慌てて立ち上がった俺はしばらく正座をしてて痺れた足を床に着いた瞬間。
ベシャ。
…っと間抜けにも床に転げ落ちてしまった。
「だ、大丈夫か芹!」
「うー……」
言葉にならない声を上げる俺を抱き起こしてくれながら大葉は。
「笑ってるし。」
「いや、うん、すまない…」
こらえながら笑う大葉にちょっぴりムッとするけど…でも笑ってる顔がやっぱり好きだから。
「もー…笑った罰として、チューして!」
そう言って頬を膨らますと大葉はそれはそれは優しい顔で笑って。
「ゴメンな。」
そう言ってまた笑った。
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