K I R I B A N





小さな頃の拓真にときめいてしまった俺は…なんとなく後ろめたくて逃げるようにキッチンにこもりひたすら晩ご飯の仕度に励んだ。

人様のお勝手でまさにその通り"勝手"に和食のフルコースを作り終わって一息ついて。
そして…少し頭も冷えたからとリビングに戻って大事な恋人の……あれ?

「拓ちゃんなら二階にいるわよ?」

覗いたリビングには解体されたベビーベッドを箱にしまっている和美さんがいて。

「『疲れたから飯の時間まで寝る!』だって!もぉホントに生意気ぃ!」

そう言いながらプンプンしてる彼女を苦笑いで見ながら俺はその場をあとにした。


シンと静まり返る廊下を進み階段を上がる。
そして…涼菜ちゃんのと入れ替わった拓真の部屋のドアをノックして。



カチャ…



ゆっくりと押し開いた。

「…たく?」

薄暗い部屋の中には少し大きめのベッドがありその上にはこの部屋の、そして色んな意味での俺の"主"がいて。
足音をたてないように近付きスヤスヤと眠っている拓真の寝顔を覗き込んだ。

「…。」

相変わらずのキレイな顔に胸がドキドキする。
そして…そのキレイな顔にさっきのあの可愛らしい"チビ拓真"が重なって。

「あんなに可愛かったのに…こんなにかっこよくなっちゃうんだね?」



ギシ…



ベッドの端に座り頬をスッと撫でる。
キレイに揃えられた眉と閉じても尚、キリリとしてる目元。
スッと高い鼻筋とカタチの良い薄い唇。

「…たく…」

人差し指で撫でたその唇に自分のを重ねて軽くついばむ…と。

「エロい触り方すんなよ。」
「!?」

ギョッとして起き上がろうとする後頭部に掌が回されそのままグイと引き寄せられる。

「んー…っ…!」

そしてアッと言う間に身体が入れ替えられて俺はベッドに組み敷かれてしまった。

「お…っ…!」
「俺の眠りが浅いの知ってんだろ?起きてるとかのレベルじゃねぇっつの。」

掴まれベッドに押し付けられてる手首に力がこもり激しいキスが始まる。
重なった唇の隙間から滑り込んだ舌に絡め取られその巧みな動きに身体の熱が一気に上がっていく。

「なあ…お前なにコーフンしてたの?」
「コーフンなんて…」



クッ。



いつの間にか外されていた拓真の左手が俺のアレをジーンズの上から鷲掴む。

「…ビンビンじゃんかよ。」
「あっ…」

掴まれたそれを擦りながらファスナーが下ろされ中に指が入れられる。
下着の前ボタンが外されそこから侵入してきた長い指がはち切れんばかりの俺のを…ゆっくりと引き出した。

「ん…ぁ…」
「すげぇ溢れてんぜ?」

耳元に寄せられた唇がいやらしく状況を語る。
言われなくたって…そんなの分かる。
だって…。



ぬる…



軽く握られたアレがいやらしい音をたてながら扱かれて…。

「あっ、ん…イク…ッ…!」

数分ともたずに俺は大事な恋人の手の中で果てた。





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あきゅろす。
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