K I R I B A N





幾度となく突き挿れられる度身体中を快感が駆け巡りそれに全てが支配されていく。

指を絡める、舌が肌に触れる…たったそれだけの事にさえ過剰に反応してしまう自分がいる。

「は、ぁン…ッ…」
「とも…」

耳元に寄せられた唇が甘く俺を呼ぶ。
身体の芯に響くその低い声に感じ、俺はまたネツを零した。

「お前の声、たまらなく好きだ。」

耳たぶを噛まれ腰がのけ反る。

「キレイな顔も感じてるエロい顔もたまんねぇ…。」

首筋に寄せられた唇がそこをクッと吸い上げる。
反応して震えた身体を優しく抱き締めてくれながら。

「どこもかしこも…愛しい。全部俺の物にしてぇよ。」

囁くような声が耳に吹き込まれそれは熱い身体を益々熱くしていく。

「お前が可愛くてどうしようもねぇ。」
「た…くっ…」

潤んだ視界の中の柔らかい笑顔は…それだけで俺の全てを蕩かしていく。


『愛してる。』


告げた言葉が重なり目が合うと…なんだか照れくさいような甘い気持ちが身体の奥底から溢れ出してくる。

きっとこれが"愛"って感情なんだろうな…なんて思いながら俺は愛しい拓真の唇にそっと唇を重ねて。

「俺は…たくまの物だよ、もうずっと前から…」
「分かってるよ…」

分かってるのは分かってる。
けど…それでも全てを欲しいと思う気持ちに終わりはないから。

「愛してる…今日も明日も…ずっと、愛してるよ…」

そう告げてもう一度キスをした。
見上げた拓真はやんわりと微笑みながら俺の頬に触れ大切な物を慈しむかのように優しく撫でて…唇にキスをくれて。

「毎日言ってくれ。」

そう言ってもう一度キスをくれた。

「…うん。」

俺の返事に口元を緩めた拓真はそのまま首筋に顔を埋めて繋がっている箇所から更に奥へと突き挿れてくる。
その度震え、甘いキスに蕩けてしまう俺を抱きしめてくれる拓真の存在に俺はこの上ない程の贅沢な幸せを感じるんだ。

「好、き…たく、愛し…てる…っ…」

快楽の波に溺れる俺の手を握ってくれるのは誰でもない、愛しい拓真。
繋いでくれる温かな手を握り返し、愛しい恋人の唇にゆっくりとキスをした。









‐END‐


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