K I R I B A N




事前の行為で潤ったナカは丁度イイくらいの滑り具合で。

「あッ!たく…っ…」
「んな、締めんな…」

組み敷いている智もおそらくそうなんだろう。
いつもより喘ぎ、仕切にナカを締め付けてくる。

「焦んなよ…まだ挿れたばっかだろ。」

グッとナカに押し入ると智は背をのけ反らせ掠れた声をあげる。
白い喉元に噛み付くようにキスをしながらそこを吸い上げ、俺の物だという“所有の印”を刻んだ。

「あ、ン…そこ…っ」
「イイトコ狙うとすぐイッちまうだろ。」

ナカのイイトコをわざと外してんのに気付き智が俺の腰に回した足に力を込める。
いつもこんなならもっとすげぇセックスが出来んのにな…なんて、普段の照れ屋な智ちゃんと今俺の下にいる“淫乱”なともチャンとを比べてみたり。

ま、どっちにしろヤるんだが。

ニヤつく口元を気にもせず愛しい恋人の肌を貪った。

「はぁ、あッ…たく…た、く…」

感じきってる智はどこに触れてもイイ声をあげる。
初めて抱いた時よか…今のコイツはエロっぽいわなんだわ。

あの頃の純情さにはさほどの変わりはないがセックスしてる最中のこの豹変振りは抱いてる俺も驚く程だ。

「お前をこんなエロくさしたの、俺なんだよな。」

…と、呟きその思考の出所を考える。
どうやら俺はまだ故人であるあの芸術家に嫉妬をしているようだ。

「我ながらちっちぇ。」

苦笑いを浮かべながら智の熱いナカへと身体を押し進める。
首に回された腕に引かれ愛しい恋人と深い口付けを交わしながら…ラストスパート。

「んぅ、…ん…ッ!」

キスの合間にこぼれる智の甘い声を飲み込みながら…重なってる腹の間にネツを感じ唇を離した。

「もうイッちまったのか。」

抱き締めている華奢な身体から力が抜けカタチの良い唇がふっと柔らかく微笑み…。

「たく…愛…してる…」

そう告げて俺の愛しい智は意識を手放した。

その後に訪れるのは…言い知れぬ甘い、柔らかな感情。

「言い捨てかよ…」

熱い頬を智の首筋に寄せて腰を動かし…温かなナカに吐きだす。
全てを包み込まれるようなそんな感覚に酔いしれながら…愛しい恋人を抱き締め、幸福感に身を委ねた。










‐END‐


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あきゅろす。
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