K I R I B A N





「肘はちゃんと押さえとけよ?」


ベッドに横たえた楓の上を跨ぎ、タオルでアイシングし途中の右肘に左手を添えさせてそれを頭上に押しやる。
体勢的に無防備になった楓のシャツのボタンをひとつずつ外して…ゆっくりと左右に開いた。

「なんか…縛ってるプレイみたいだな。」

喉の奥でククッと笑うと楓は真っ赤にさせた頬を背けて唇を噛む。
それを見下ろしながら俺は…白い肌を掌でスッと撫でてから両方の乳首を同時にキュッと摘み上げた。

「はっ、あ!」

ビクンと震える楓を見下ろしやわやわと捏るとその突起は段々と固くなり跨いでる身体も熱くなっていく。

ピンと固く立ち上がった乳首を口に咥え空いた右手を下に下ろして股間に触れる。
可愛い楓のソレは…たったあれだけの愛撫で十分に勃起していた。

「お前感じ過ぎ。だから…心配になるんだよ。」

むくれ気味にそう言うと楓は乱れた呼吸の合間に俺を切な気に見ながら。

「僕…っ…さこじゃなきゃ、こんなに…なんないよ…」

はあはあと吐き出す息が愛撫で詰まりまた一段と呼吸が乱れる。

俺は…そんな楓を見つめて心底ホッとした自分に気付いた。


ちゃんと…愛されてんじゃん。


楓に愛されてるなんて分かりきってるはずなのに…ツカサなんぞに嫉妬して勝手に捻くれてた自分に苦笑いが出る。

「ごめんな…」

アイシング途中のタオルを外させシャツを脱がせる。
その間に俺のシャツのボタンを外してる可愛い楓を見つめて。

「俺…楓の事好き過ぎる。誰にも渡したくないと思うし誰とも話だってして欲しくない。」

言いながら益々自分の小ささを思い知った。


…柊の事ガキだとかって笑えねぇな。


苦笑いをしてる唇に楓の唇が触れる。

「僕も…一緒だよ、だから…ごめんね…」

この“ごめんね”の意味は『もうしません』じゃなくて『いつもごめん』の意味。
全く…毎度の事ながらもうあと一歩の所が上手く伝わらない。

溜め息をひとつ吐き愛しい楓の頬をひと撫でしてから。

「こんな鈍いお前に惚れた俺の負けだよな。」

ボソリと呟きキョトンとしてる楓の唇に俺のを重ねた。

細い身体を抱き締めズボンと下着を下ろす。
そして…
この果てしなく鈍い、なのに何よりも誰よりも愛しい恋人を強く抱き締め…温かなナカへとゆっくり身を沈めた。









‐END‐


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