K I R I B A N




良く晴れた土曜の昼。


ついさっきまで抱き合い互いの汗で少し湿ったシーツに横たわり、シャワーを浴びたばかりの恋人の着替え風景をニヤニヤ顔で眺めている。

「拓真、顔緩んでるよ。」

「分かってる。」

ガン見されて恥ずかしいのか俺の愛しい恋人は真っ赤な顔を俯かせてその白い華奢な身体を邪魔くせぇ布で覆っていく。

「もっと見せろよ。」

「夕べから散々見てたでしょ。」

赤い顔がまた更に赤くなる。
こういう反応がまたどうしようもなく可愛いんだよ。

「ああ見た見た。舐めたし吸ったししゃぶったし…」
「い、言わなくてもいいから!」

アタフタしながら俺の口を掌でふさぎにきた所を捕まえて抱きしめる。
頬を寄せた首筋からほんのりと香るのはボディソープと混ざった智の甘い匂い。

「たまんねぇな。」
「ちょっ、たくっ!」

ジタバタする身体を抱き締める。
…とコイツめ、キスしようとした俺の顔に掌をグッと押し付けやがった。

「バイト、遅刻しちゃうから!」

「いいじゃんか。休んじまえよ。」

「あのねぇ!」

本気で困ってる顔を見てまたニヤリ。
困ってるって事は…少なからずその気もあるって事だし。

満足して解放してやると智は案の定戸惑いの表情を見せてから少し乱れた恰好を直し始めて。

「今日、そんなに遅くならないから…」
「続きは後でね、くらい言って行けよな?」

体を起こして可愛い恋人を抱き締める。

「冗談だ。終わった頃迎えに行くから…そうだな『豆楼』の前で待ってろよ。」

「なんで『まめろう』?直接きてくれればいいのに。」

少し丸くなった瞳を見つめて唇を重ねる。

「…うるせぇのがいるからな。」

クスリ、と笑う智の綺麗な顔を見つめてまたキスをして。

「分かったか?」

「うん。待ってるね。」

そう言ってまたキスをして、俺の可愛い智はほんの四時間程のアルバイトへと出掛けて行った。





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あきゅろす。
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