K I R I B A N
6
ギシギシとベッドの軋む音がして…俺達の繋がる水音と肌のぶつかる音と、そして…。
「ゆぅ!あッ…ゆ、っ…」
途切れ途切れに俺を呼ぶ弘樹の鼻にかかった甘い声。
そう…これだよ。
「ひろ…イイ?」
耳たぶを噛みながらの俺の声に弘樹は何度も何度も頷き狭いナカを"これでもか"って程に締め付けてきて。
「あ、ンッ!イく…ッ…」
重なってる腹の辺りに温かな感触が溢れて…俺は満足しながら脱力した弘樹の細い身体を抱き締めた。
「いつもより、早いんじゃね?」
俺の声に少しムッとした表情を見せたかと思った瞬間…!
ギュウ…
…っと弘樹のナカがキツく締められて。
「ちょっ…!?」
俺は…アッと言う間にイかされてしまった。
熱い弘樹のナカに…俺のアツイのを注ぐ。
脈打つ快感に震える俺を見上げて…弘樹は満足げに笑って。
「お前はいつも早いけど…今日は特別早いね。」
…と意地悪く笑って俺の唇にキスをくれた。
全く…。
サラサラな髪を撫でながら額に唇を寄せる。
見つめる弘樹は…いつもよりも穏やかで優しい顔して俺を見上げて。
「ゆう…愛してる。」
そう言って顔を真っ赤に染めた。
…可愛い。
「てかお前はどうなの!僕にだけ言わせんなよ!」
…可愛くない。
でもその可愛くない言動も照れ隠しなんだって分かってるから余計に可愛く見えてしょうがない。
「…ひろ…」
そして何よりしょうがないのは…そんな弘樹を愛して愛して愛してしまってる俺自身。
名前を呼んで唇にキスして髪を撫でる。
その間も…俺の返答をジッと待ってる姿がこれまた可愛い。
「ひろ…俺も愛してる。」
すると弘樹は顔を赤くしてふわりと笑ってソッポを向く。
これは照れてる時の仕草で。
「…続き…」
「…え?」
小さく呟き頭の下にある枕を引きだした弘樹がそれをバフッと顔に乗っけて。
「まさか一回で終わりじゃないだろうね!?」
わざと怒った風に言う。
マジ、可愛い。
鼻の下をダランと伸ばし、その手から枕を奪うと愛しい可愛い弘樹の真っ赤な顔を見つめて。
「当たり前でしょ。」
安心したみたくふっと緩む頬にキスして唇を重ねる。
―好きだ。
心の奥底から溢れ出る想い。
それは熱くて…暖かくて優しい。
今までもそうだったけど…一緒に居始めてからは日、一日とその思いは強くなるばかり。
「ひろ…」
名前を呼ぶと愛しい恋人は俺を見上げて。
「なに?…ゆう。」
そう優しく俺の名前を呼んだ。
この上ない幸せを噛み締めて再認識する。
―キミハ、ボクノスベテ。
見つめ合って…俺達はまた甘い甘いキスをした。
‐END‐
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