K I R I B A N
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山を背負ったマンションをグルッと回るカタチで駐車場に入る。

さっきの信号待ちでワンコールしたのに…智の奴電話に出やしねぇ。

ギアをPに入れサイドブレーキ引いて…スロットルをオフにしながらもう一度。
プルプルと音だけしてんのに…まだ電話を取んねぇし。

「…ったく。」

軽く苛立ちながら大股でエントランスを突っ切り丁度降りてきたエレベーターに乗って階を押す。

…何かあったか…?
イヤ…まさかな。

軽い金属音と共に開いた扉から早足で出て…部屋のロックを外し玄関に飛び込んだ。

「…智?」

部屋の中に愛しい恋人の姿はない。
息を飲み…耳をすませば微かに水音が聞こえる。

「…風呂場…か?」

靴を脱ぎ捨て歩いてく途中でのん気な鼻歌が聞こえ…開けっぱなしのドアから風呂場を覗いた。

中では。
ハーフパンツ姿でロンTを腕まくりしてる智がゴシゴシと風呂を洗っていた。

一瞬にして…体の力が抜ける。

心配するまでもないか…このマンション、何気にセキュリティもしっかりしてるし。

ホッとして声をかけようと見つめれば…風呂の中を洗ってる智のカタチの良い尻がその度揺れ動く。

妙に色っぽい尻の動きに…俺の身体が反応しない訳は、ない。


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あきゅろす。
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