K I R I B A N




見上げた天井が歪んで頭がズキズキと痛む。
そんでもって…まるで火でも点けられてるみたいに身体が熱い。

「…大丈夫か?」

うーんって唸ってる唇を尖らし、不安げに俺を見つめる大事な人を横になったまま見上げた。

「ん…大丈夫、だいじょぉぶ…」

「どう見てもそうは見えないぞ。」

小さく息を吐いて俺のおでこにそっと触れて。

「さっきより熱くなっている気がする。」

そう言って大葉が冷たいタオルを乗せてくれた。





…昨日、学校からの帰り道突然の雨にやられて濡れながら帰ってきた。
そんで、委員会帰りで遅くなる大葉の為にと傘を持ってまた学校に舞い戻ったんだ。

そしたら途中で雨が止んで学校に到着するなり大葉に怒られた。
…んで、最悪な事に俺は風邪をひいてしまったんだ。

…なんて。

「…なんて間抜け。」

しかも今日は花の土曜日!
元気だったら大葉とラヴラヴデートするハズだったのに!

「あー…も、なんて間抜け!」

「どうした?」

温くなったタオルを冷たいのと交換しに行ってた大葉が、部屋に戻ってきて首を傾げる。

俺はその顔にキュンってしながら布団を鼻までかぶって。

「…どーもしないよ。」

そう言って笑った。

「顔が赤いな。…また熱上がったか?」

大葉の大きな手が頬に触れる。
それだけで…俺の身体はどんどん熱くなってくんだ。

「触んないで…」

頬に触れてる手をギュッと握って唇を尖らす。

「…大葉が触ると…もっと熱くなるから触っちゃヤダ。」

俺の声に目をパチクリさせた大葉が困った顔で俺を見つめる。

…俺だって…
困っちゃうんだもん。

すると…大葉の手がスッと引かれて握ってた掌が空気を掴む。
そしたら急に切なく…淋しくなっちゃって思わずまた大葉の手を握ってしまった。

「…芹?」
「あ!ゴメンあのね…俺ね…」

しどろもどろ。
…でも握った手は離さなかった。





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あきゅろす。
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