K I R I B A N

‐弘樹SIDE










ホントに…ホントに大葉は可愛いと思う。

芹もモチロンいじり甲斐があっていいけど大葉は真面目な分、輪をかけて面白い!

ひとしきり笑った後で…今更ながら。

「大葉はジーマニに久遠を迎えにきたの?」

そう聞いた。
すると当の本人はキョトンとして。

「いや。」

と答え急に顔を赤くして照れたように笑い…。

「バイト料が入ったから芹に何かプレゼントをしたいと思ってきてみたんだ。」

…なるほどね。

いつもだったら先に寮に戻ってる芹の元にそそくさと帰るのに…今日に限って寄り道なんてするから不思議だったんだ。

妙に納得してる僕と久遠とを互い違いに見ながら大葉が満面の笑みを浮かべて。

「お前達に助言してもらえると助かる。」

その姿が…芹に被って見えるのは僕の気のせいだろうか?
苦笑いをしながら大葉を見つめ返した。

「…それはいいけど何を買うか決めてるのか?」

久遠の声に大葉が首を横に振る。

「えー!行き当たりばったりなの!?」

興奮気味の僕の声にポリポリと頬をかいて大葉が苦笑いを返してきた。
しばらくの沈黙のあと僕と久遠は顔を見合わせて溜め息を吐き…。

「シャツとジーパンどっちがいい?あ、小物とかもあるよ!」

「秋用のブルゾンとかパーカーなんかもあるけど…どうだ?」

思い付く物をとにかく並べてみた。

「…うーむ…。」

腕組みしながら悩む大葉の姿を見て…僕と久遠はまた顔を見合わせて苦笑いをした。





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