K I R I B A N

‐弘樹SIDE










「すっかり遅くなっちゃったね?」

とっぷりと日が暮れて、暗くなった帰宅路を歩きながら隣りの大葉を見上げる。

「そうだな…少し気合いを入れ過ぎたか。」

溜め息を吐く相手を見ながらつい思い出し笑い。

「…笑うなよ。」

「だってさ…大葉ってばマジ面白いんだもん!」

今日は恒例のクラス委員の会議の日。

以前から言っていたイベントの事案を各クラス毎にまとめておくよう伝えておいたにもかかわらず…二クラスがそれをして来なかった。

そしたら大葉ったら…。

「プハッ…!」

「…だから春日部…!」

拗ねたような口調の大葉があまりにも可愛くてついイジメたくなっちゃって。

「『お前らが提出するまで全員退出禁止だー!』とか言っちゃってさ!」

「仕方ないだろう。奴等は常連だからな…他の人達にも迷惑をかけてしまったが…」

ボソボソと言い続ける姿が妙にツボる。
いつも思うんだけど…大葉って『母性本能』をくすぐるんだよね?

…てか。

僕はオトコだから…父性っつの??
…なんか良く分かんないけどとにかく大葉には大陸的な愛情が溢れるんだよね?
…なんか不思議。

「あ…そうだ。春日部。遅くなったついでに少しばかし付き合ってくれないか?」

「えっ?どこに?」

突然の話に驚き隣りの顔を見上げる。

「【ジーマニ】。」

「へぇ珍しい!いいよ、行こうよ!」

まさかのサプライズに胸が踊る。
久々の【ジーマニ】に僕は自分のコーフンを隠す事が出来なかった。





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あきゅろす。
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