K I R I B A N
13
‐芹SIDE










長くて楽しいお風呂タイムを過ごして、ずい分してから俺達は部屋に戻った。
引き戸?を開けて中の襖を開ける…と。

「お帰り。」

中にいたくどーが立ち上がって迎えてくれた。

「たっだいまー!」

走り寄って、バフン!ってくどーに抱き着き…胸のトコとか首の辺りをクンクンとかぐ。

「あれ…くどーもお風呂に入ったの?」

抱き着いたくどーからはいつもの柔らかいのと違う爽やかな匂いがした。

「あ…うん。後片付け終わってから露天風呂に行ってきたんだ。」

「なーんだ。だから久遠こなかったんだ?」

残念そうに言って春日部が畳の上に座ってその隣りに柊が座る。

「ヒメとの混浴、スゲー楽しみにしてたのになぁ…残念!」

ホントに残念そうに言う柊のホッペを春日部がギューッとつねった。

「ごめんらたい…」
「分かればよろしい。」

涙目の柊の『ゴメンナサイ』を見て春日部が手を放してあげる…と。
柊のホッペがすンごい真っ赤になってた。

「あれ?ニイサンはいないの??」

西野の声に気付いてキョロキョロと回りを見ても…そういえばいないよね?

「一服してくるって外に出ていったよ?」

部屋の片隅に積まれてる布団の山から敷布団を持ってきてせっせと敷き始めるくどーの側に走り寄ってそのお手伝いをする。
するとみんなもゾロゾロとお布団を持ってきて敷き始めた。

「こーゆーのは普通、旅館の人がしてくれんじゃないの?」

柊と一緒にシーツをピッと伸ばしながら春日部がめんどくさそうな顔をする。

「そうなんだけどね?満室のところを無理矢理泊まらせてもらってるから文句は言えないんだ。」

…ええ??

ちょっと…てか、かなりビックリなんですけど!

「えっ!そうなの!?」

ビックリしたのは俺だけじゃないみたいで。
春日部も…柊も佐古も西野も。
俺の大葉までビックリしてるみたい?

「拓真も俺も、みんなと一緒に泊まりたかったからね。由妃さんが快く引き受けてくれて良かった。」

ニッコリと笑う笑顔につられたのもあるけど…。
俺は『みんなと一緒に泊まりたい』って思ってくれた二人が嬉しくて顔のニヤけが止まらなかった。





[*←前n][次n→#]

17/22ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!