K I R I B A N
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智の美味い飯を平らげ、出されたコーヒーを飲みながら椅子に座り後片付けしてる後ろ姿を眺めてる。

華奢な身体に細い腰。
全てが俺を魅きつけてやまない…愛しい智。

ふ…と。
今日届いた物を思い出しパソコンデスクに置いた鞄から赤い箱を取り出した。

「智。」

声をかける。
水道を止めて振り返った智が…露骨にイヤな顔をしてみせた。

「…その箱まさか…また社長から?」

「最近エラく察しがいいな?」

アダルトグッズを卸してくれる社長から送られてくる物は全部この色の箱に入ってくる。
拘束用の紐やらコスプレの服。

それらは全部智で使ってるんで、普段無頓着なヤツもさすがに警戒を強める。

「…もう…ヤだよ?」

「まぁまぁ。」

逃げ腰の智に苦笑いしながら箱を開けると…中にはキレイな紫の瓶が入ってた。

「わ…キレイな瓶だね?」

それにつられて覗き込んだ智の腕を掴み、椅子に座る俺の膝の上に引き上げる。

「これ…媚薬なんだって。」

「…ビヤク…?」

あからさまに拒絶の色を浮かべる顔を見てつい笑っちまう。

「それ…どうする気なの…俺ヤだよ?」

「んじゃ俺が飲むけど?」

サラッと言った俺を見つめる智が更に怪訝な顔をした。


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あきゅろす。
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