K I R I B A N
‐誤解の先に待つもの。
ベッドの中に横たわり天井を見上げていた。
やはり…何度ヤっても楓とするセックスはキモチイイ。
身体もさながら心が通じてるってのが一番の理由なんだろうけど。
腕の中で瞳を閉じている愛しい恋人の額に唇を寄せる。
「ん…佐古…?」
うとうとしてたのか、甘えたような声を出した楓にうかつにも胸がキュンとしてしまった。
咳払いを一度し…気を取り直して。
「…楓。ひとつ言っておく事がある。」
声色を変えた俺に少し緊張気味な黒い瞳が向けられる。
「俺に内緒事はしないでくれ。…それだけだ。」
目を真ん丸く見開きキョトンとしてる顔がまた堪らなく可愛い。
…ただこの表情の時は。
「…通じた?」
「えっ!あ、うん…佐古に秘密は作っちゃダメって事だよね?」
…うーむ。
微妙に違うが今までの中で一番理解しているようにも思える。
もう一押しか?
「つまりさ?お前が先に言っといてくれてりゃ、俺がココで待たされる事はなかったし…お前にあんな態度とらなくても済んだって事なんだよ。分かる?」
ー…って。
意味、通じたか?
まあ…通じなくてもショーガねぇか。
「だから…内緒はナシでね?」
キレイな黒髪を撫でてやるとキモチ良さそうに瞳を閉じ口元を緩める。
そんな表情も…色っぽくてムチャクチャ良い。
元は違う赤の他人同士なんだから反りやツボが合わない事なんてたくさんある。
そう言うのをひとつずつクリアして…未来に繋げればいいんだ。
その度、またこうして話して…キスしてセックスをする。
そんな風にして少しずつでも進んで行けばいいさ。
「…楓。」
可愛い顔を見つめてまたキスをする。
はにかむ表情が可愛くて強く、強く抱き締めた。
‐END‐
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