K I R I B A N




さっき言われた言葉は半分くらいは冗談なのかな…?

どちらにしろ俺が絡むと拓真は容赦がなくなる。
今までも何度かそんなのを見てきたから…やっぱり心配は心配。

だから俺は…
俺なんかの為に拓真が誰かを傷付けてしまったり誰かに拓真が…なんて事は嫌だ。
だから…。

「たく…。」

「…なんだ。」

震える指で拓真の頬に触れ、ゆっくりと唇を重ねる。

「俺…気を、付けるよ。」

熱いのが根元まで収まってるその入口を拓真の指がツッ…と撫でた。

「ンぁ…ッ!」

突然の事に驚き、思わず腰がのけ反る。

「ああ…そうしてくれ。」

フッと笑い熱く火照った俺の頬に拓真が触れるだけのキスをくれた。

その顔は…さっきまでの少し緊張したような表情とは違い優しくて穏やかで、俺の良く知る拓真の微笑み。
ホッとして気が緩んだ途端…グッとナカを熱い堅いので突き上げられた。

「あ、ンッ!」

油断していた俺は…鼻にかかった恥ずかしい程の甘ったるい声を上げてしまった。

「エロい声だな。」

口の端を上げて笑いながら拓真がナカへのスライドを開始する。

拓真のがイイトコばかりを狙って突き挿れられて…堪らず俺は枕を強く抱き締めた。
すると…。

「抱くなら俺を抱けよ。」

枕を握る手に拓真の掌が重なりそれが解かれ…自由になった両手を細い自分の身体に巻き付けるように絡みつけて。

「…俺以外を…抱くな。」

真面目な顔してそんな事を言う拓真が愛しくて…可愛くて。
思わず笑ってしまった。

「枕に…ヤキモチ、焼い…たの?」

見上げた拓真が少しだけ頬を赤くして仏頂面になり…俺の腰を押さえ付けて強く、速く突き挿れてきた。

「あッ!あッ、ン!たくッ!」

図星をつかれたからってオトナゲなさ過ぎ!
…そう文句を言おうにも感じてしまってる俺の身体は、反論さえできずにただ拓真に必死にしがみ着くしかなくて。

「キモチイイか?」

耳元で囁かれる声に何度も頷き拓真の動きに身を任せた。

たまに見せるこんな可愛い拓真も…
俺を助ける為に豹変する拓真も全部が大事で大好きだ。

その愛する拓真の為だけに、俺はその唯一の安らぎの場所でありたいと強く願う。

「たくま…愛してる。」

突き上げられ達した俺のナカに拓真の熱が注ぎ込まれた。
ソレがただの欲じゃないと思っているからその行為に幸せと喜びを感じるんだ。

「たく…。」

潤む視界の中の愛する人へ俺のありったけの愛を込めてキスをして。

「ずっと…離さないでいてね?」

キレイなブラウンの瞳がまぶたに隠され…温かな唇が俺のを愛しげに何度かついばんで。

「愛してる。俺の全てをかけてもいい。お前だけを愛してる。」

泣けちゃいそうな拓真の声に目を閉じて降りてくる唇を待った。

俺も…
俺の全てをかけて拓真を愛してく。

…これからも…それはずっと変わらないから。

見つめ合い…とろける程に甘く優しいキスを交わした。









‐END‐


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あきゅろす。
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