K I R I B A N





車を車庫に入れ終わり繋いでいた指を…ゆっくりと解く。

「とも。」

その手を繋ぎ直され再び温かな胸の中へと抱き込まれた。

「な…どしたの?」

上げた顔に拓真のキレイな顔が近付いてきて…唇が重なった。

「たく…?」

シートが倒されその上に覆いかぶさってきた拓真からのついばむようなキスから…もっと深い口付けへと変わっていく。

「ん…部屋、に…」

握られた手の甲に触れた拓真の唇が熱くて…俺を見下ろす瞳はもっと熱くて。
その色っぽい瞳と目が合い思わず息を飲んだ。

「とも…。」

名前を呼ばれ真っ直ぐな視線で見つめられたら…俺はもう抵抗なんてできない。
胸がドキドキと音を立てて熱くなり触れて欲しいと身体が疼きだすから。

「…ね…たく?」

恥ずかしくて未だにちゃんと言えないけど…胸にしがみ着く俺を抱いてくれるその腕の強さに安心して瞳を閉じた。

「部屋…帰るか。」

珍しく引き下がった拓真に起こされ少し乱れた制服のシャツを直す。

「ちまちまヤるより…隅々まで舐め尽くしたいからな。」

口の端を上げてイヤラシく笑う拓真を見つめ一気に顔が熱くなる。

「可愛いヤツ。」

ククッ…と喉で笑いながら車を下り拓真が助手席のドアを開けてくれて。

「おいで…。」

差し出された手をギュッと握り返して…熱い頬のまま愛しい恋人にそっと寄り添った。





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