K I R I B A N





冷たい床の上に横たえた楓に重なりゆっくりと繋がる。
さすがにここは音の反響がすげぇから…声が洩れないよう楓の唇を俺ので塞いで舌を絡めた。

「…ッ…ふ…」

それでも洩れでてしまう声に…なぜだかやたらと興奮してしまう。

「ン…ッ、さ…こ…っ…」

離した唇が荒い息と共に俺の名を呼び…潤んだ瞳の色っぽさに身体はますます熱くなる。

「楓…」

細い腰を押さえ付け更に奥へと押し入る。
…と同時に楓が俺の下で限界に達した。

「…は…ぁっ…」

吐きだす吐息を飲み込み楓の奥の奥までを味わい尽くし…程無くして俺もその熱いナカで達した。


お互いの濡れた身体を抱き締め合いキスをして…また抱き締める。
見下ろした楓は俺の良く知る楓で…当たり前だけど安心した。

「…さこ…?」

見下ろす楓が困ったような視線を向け俺は…苦笑いをしながらその額にキスを落とす。

「…野球してる時の楓がヤケにキラキラしてて…なんつーか、妬ける。」

いつも側にいるちょっとネガティブで臆病な楓が俺の知ってる楓で…だからなのか、今日の楓をどこか遠くに感じて淋しいと思ってしまった。

「…変な佐古。」

「ああ、変だよな?」

俺らしくもない。
どっぷりハマり楓をがんじがらめにしてしまいたい…そんなエゴの塊になっている自分に怖気がした。

黙り込む俺を見上げた可愛い恋人がやんわりと笑って俺の唇に触れるだけのキスをして。

「佐古とキャッチボールしてすっごい楽しかった!ニイサンの野球セットが使えるようになったら、また一緒にしよ?」

満面の笑みを浮かべる楓が眩しい。
この笑顔が見れるなら…俺はなんでもしてやりたいと思う。

だから…。

「そうだな。また一緒にしよう。」

「それまでには真っ直ぐ投げれるように僕が鍛えてあげるよ!」

可愛らしい笑顔を見つめ…わき上がる愛しさを再認識してもう一度キスをした。
エゴでもなんでも…
お前の笑顔がずっと見たいから。








‐END‐


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あきゅろす。
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