K I R I B A N





冷蔵庫を開けて中に入っていた冷や飯を出し軽く水洗いをする。
智が作ってくれていた卵スープを和風だしでのばした鍋にそれを入れて…ひと煮立ちした所にジャコと大量のネギを投入して出来上がり。
そのおじやに、梅干しといれたての緑茶を添えて…寝室へと向かった。

ノックもせずドアを開けると正面のベッドから起き上がった智が俺を見つめて口を開いて。

「ごめんね。」
「ごめんな。」

その声が俺の発した声と重なった。
しばし見つめ合い…なんとなくおかしくなって笑い合って。

「メシ、食えんだろ?」

「あ、うん…作ってくれたの?」

「当たり前だ。」

メシを乗っけたトレイをサイドテーブルの上に置き、智の膝元の布団をめくる。

「たく?」

ベッドに乗り、座ってる智を囲むように足を回し背中から抱く体勢で身体を密着させてメシの乗ったトレイを智の膝の上に置いた。

「たく…俺、汗かいてるから…。」

首筋にキスする俺から逃げる身体を引き寄せ、抱き締める。

「お前の匂い、好きだからいい。」

抱いた細い身体がほんのりと温かくなった。

「たくはご飯食べたの?」

「お前の作ってくれてたのをチョイ食った。ありがとな?」

おじやをレンゲですくい智の口元に持って行くと…戸惑いながらも唇を開いてそれを口に含む。
その動きがまた妙にエロっぽい。

「…食い方までエロっぽいよな…。」

「え?」

「イヤ、なんでもねぇ。」

智のカタチの良い唇が開く度、丸一日お預けをくらってる下半身がイチイチ疼きやがる。

「…早く元気になってくれよな。」

堅くなった俺のに気付いたのか智が頬を赤くし黙って頷く。

「お前が側に居ねぇと…なんだか落ち着かねぇんだよ。」

細い身体をギュッと抱き締め…その頬にキスをした。





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