K I R I B A N
B
ベッドまできてその上にゆっくり下ろされ…ドキドキしながら拓真を見上げた。

「…なんだコレ?」

視線の先を見ると…あ。
さっき読んでたグッズの本が開いたまま枕の上に放ってあった。

読み途中に電話がきて…スッカリ忘れてたんだ。

「なんか欲しいモンでもあんのか?」

俺をそっちのけでパラパラとページを捲る。

「ん…違う。」

「じゃあなんで?お前、このテの雑誌に興味ないだろ?」

ホント…こういう勘の良さっていうか…洞察力の鋭さには舌をまく。
…内緒にしようと思ってたのに。

「なんか買おうと思ったんだ。」

チラと拓真を見て…
そして。

「もうすぐ拓真の誕生日でしょ?」

「俺になんか買ってくれるつもりだったん?」

黙って頷く額に拓真がキスしてくれて。

「サンキュ。でもな…。」

「いらないって言うんでしょ?」

ムッとする俺を困った顔で見下ろす拓真につっかかるみたいにしゃべり続ける。

「いつも拓には世話になってるから…たまにはそのくらいさせて…?」

「…俺さ…。」

困った顔が更に困った顔になり、開きかけた俺の唇に拓真が唇を重ねて。

「お前がいりゃ…他には何もいらないんだよ。」

そう言って苦笑いした。


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あきゅろす。
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