K I R I B A N
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そして放課後。

いつものようにヤツラが購買に集まってきた。

「あれ…ニイサン今日は一段と不機嫌ですか?」

パソコンを覗いてる俺の横にきて春日部が小声で言う。

「…ったく…お前ら何でここに集まるんだよ。」

仏頂面の俺を見て緩く笑って。

「ここは居心地イイんですよ。久遠もニイサンもいるし。」

口元から覗く八重歯が可愛らしい。
この可愛らしい春日部は柊の彼氏で…。

コイツだけで十分だろうが!
なのになんで智にちょっかい出すんだか。

そんな俺に気付いたのか目を真ん丸にした春日部が更に笑って。

「多分、アイツ的に久遠ってアイドルみたいなもんだと思いますよ?」

「アイドル?」

「憧れみたいな?同じ気持ちをニイサンにも持ってるみたいですけど…もちろんセクシャルなしで。」

「ふ…ん。」

分かるような…分かんないような?

「ま、アイツはほっといても僕の所に戻ってきますから。」

ニヤッと笑う。
自信過剰か、裏打ちがある絶対の自信か。

こう言うヤツ、分かり易くて好きだ。

「でも…アイツが智に手ェ出したら…容赦ねぇぞ?」

春日部は…可愛らしい天使の顔から、悪魔な顔付きに変わる。

「それは…任せます。」

秘密裏に俺と春日部で同盟が結ばれた。

しかし…柊も大変なヤツに惚れられたらしいな。

智の隣りに懐く柊を見つめる春日部を見ながら…俺は苦笑いをした。


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あきゅろす。
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