K I R I B A N
B

体育が終わり、校内に戻ってくる智を出迎えるため奥部屋の出入り口から外に出た。

俺に気付いた智が近付いてくる途中、知らないヤツが間に立ちはだかり…その手を掴んだ。

俺は…そのまま真っ直ぐ進み、ソイツの腕を掴み力を込める。

「なんだ…オマエ。」

「いててッ!!」

グッとねじり上げると、ソイツは目に涙を浮かべて暴れ出した。

「放せ!痛い痛い!!」

「オマエが人のモノに手ェ出すから悪いんだろが。」

「えッ!?」

泣きながらソイツが目を丸くする。

「コイツは俺のだから。分かったか?」

コクコクと何度も頷くソイツに…

「悪い事したらゴメンナサイだろ?あ゙あ゙?」

「は…はい!ゴメンナサイ!もうしません!!」

そして…
腕を解放してやるとソイツは一目散に校舎に向かって走って行った。

「誰…アイツ?」

「…分かんない…。手、掴まれて付き合わないか…って。」

ピクッ…と、こめかみに青筋が立つのが分かる。

「お前は…なんて?」

「イヤだ…って。」

細い腰に腕を回して抱き寄せた。

「…んで?」

首筋に…キスをする。

「ぁ…彼が…いるから…って言ったよ?」

「上出来。」

潤んだ瞳で見つめる智の手を引き、出入り口から奥部屋に戻りドアに鍵をかけた。


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