K I R I B A N
A
風呂上がりにウーロン茶飲んで、雑誌見ながらベッドで横になってる。
チラと携帯に目をやると…時間はもうすぐ深夜に変わる頃。
「…寝ようかな。」
雑誌を閉じて枕元のラックに戻し、電気を消して布団に潜り込む。
引き上げた毛布から拓真の匂いがして…なんだか胸がドキドキした。
「…今頃…もう寝てるのかな?」
…俺をおかずに、一人でシてたりして。
なんて笑いながら…満更冗談でもなさそう、と思う自分が怖い。
窓に背を向けて横になる…と。
カチャカチャ…
「…ん?」
カチャン!
「えっ!?」
玄関の鍵が外から外され勢い良くドアが外側に開かれた。
ガンッ!
かけてたチェーンのおかげでドアは開かなかったけど。
ドンドンドン!
今度は、ドアを強く叩く音がして。
ド…
ドロボー!?
いや…それにしては、かなり近所迷惑な程に派手な音を立ててるんですけど?
…まさか!?
ベッドから起き上がり、叩かれ続けてるドアの魚眼レンズから外を覗く。
「うそ!?」
チェーン外してドアノブに手を掛けて外側に押し開く!
「寝てたか?」
「拓真!なんで…!?」
大きなカバンを部屋に投げ入れた拓真に…
俺はギュッと抱き締められた。
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