K I R I B A N
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そう広くないバスタブの中湯船に首まで浸かって体を伸ばす。

「んー…やっぱり一人で入ると広いなぁ…。」

久し振りの一人での入浴を満喫していた。

どうみても一人で一杯になる中に、いつも拓真が強引に入ってきて…こんな風に伸びる事さえできないんだから。

当の拓真は…と言えば。

学校からの命令で、職員の泊まり掛けでの研修の為朝から出かけていて…
帰ってくるのは…明日のお昼って言ってたかな?

それまでは、かなり久し振りの一人を楽しめる。

今日は早速、みんなと遊んできた。
良介におごってもらったチーズバーガーで満腹だから、ご飯の支度しなくて済んだし!

…ふと。

「拓真…ご飯食べれたのかな…?」

不安になった。
だって…拓真は、俺か弟・妹の作った物しか食べないんだもん…。

今頃きっと、空腹に耐えられなくてフテ寝してるのかも。

ザバッ…
湯船から上がり、素肌の腰にタオルだけ巻いて浴室を後にする。

脱衣所の前の鏡に映る自分の身体を見て…
呆然とした。

「うわ…。」

首から鎖骨…胸元にかけてまで赤い痕がびっしり付けられてる。

「…夕べは…激しかったけど…。」

ここまでされてたなんて気付かなかった。

拓真の…あの独占欲は
スゴい。
でも、そこまで愛されてるって思うと…嬉しい。

赤い痕を指で追って…
幸せを感じた。


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