K I R I B A N
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一日の授業が終わって…珍しく弘樹が買い物に行くと言うので一緒についてく事にした。

あれこれ話ながらグラウンドの横を通り過ぎようとした時。

「春日部!」

どこからか声がして…そっちに目を向けると。
グラウンドの中で手を振ってるヤローが…一人。
見たトコ、サッカー部のヤツだよな?

「…知り合い?」

隣りを見ると、そこにいたハズの弘樹が…いつの間にかソイツの側に近付き、フェンス越しに何か楽しそうに話してて。

「弘樹ーッ!」

そっちに向かって声をかけるけど…
声に気付かないのかシカトしてんのか?

なんか…ムカつく。

振り向きもしない弘樹に近付いてくと…楽しそうに話してたソイツがチラと俺を見て。

「じゃあ…またメールするから。」

そう言ってグラウンドに戻って行った。

「なに…アイツ?」

横目で弘樹を見るものの本人はソイツに視線を向けたままで。

「さ、行こっか。」

素っ気ない態度で歩き出してく。

「待てよ…弘樹!」

慌てて後を追い…その細い手首を掴んだ。

「痛いよ…なに?」

「だから!アイツは何?」

「何って…?」

やんわりと俺の手を解いた弘樹が。

「…内緒。」

と言って、笑った。


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あきゅろす。
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