K I R I B A N
F

「…ひでぇ言われようだな…。」

胸の突起を舌でなぶると組み敷いた智の細い腰が小さく震えた。

「だ…って…ホントの…コトでしょ…?」

絶え絶えの声に眉をしかめ伸ばした右手を内モモに這わす。

「あッ…ん!」

そしてそのまま奥へ指を進め…柔らかなソコからナカへと滑り込んだ。

「あぁ…ッ!ん…ッ…」


あの日…


あんな風に智が告って来なきゃ今の俺達はなかったんだよな。

そう思うと…
少し怖い気がした。

―お前が…その時俺を嫌いになってたら。

―お前が…俺の話を聞いて俺を諦めてたら。

そしたら…今の俺はいなかったんだ。


「た…く…。」

伸ばされた指が俺の頬に触れて唇をなぞる。

「…抱いて?」

ナカから指を抜き出し…代わりに俺のを挿し入れる。

反らした白い肌に恭しく口付けて…熱い智のナカを何度も突き上げた。

「あ…ッたく!あッ!」
「とも…。」

今…俺の腕の中には確かに智がいる。

初めて…
失いたくないと本気で思った。

愛しい…俺の智。

「なぁ…俺の事、好き?」

耳たぶを噛みながらそう囁く。

「好…きだよ…。」

そう言って頬にキスしてくれた。

「ずっと…俺の側にいろよ?」

柔らかく微笑んだ智が…静かに頷いた。


‐END‐



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