K I R I B A N
B
もう少しでパンに手が届く!…ってトコで。
ドンッ!
「え?」
誰かが俺の背中にぶつかってきた!
突然の事にバランスを崩した俺はそのまま前につんのめり…フラ付きながらも辛うじてテーブルに両手を付いた。
危なかった…
ってか!
どこのどいつだ!
「大丈夫か?」
―ん?
顔を上げて声のした方を見ると…。
目の前にいたのは…物凄くキレイな男の人。
ほっそりとしたアゴのラインにカタチの良い唇。
スッと通った鼻筋と、
少し長めの前髪の奥には丁寧に手入れされてるキリッとした眉と切れ長のブラウンの瞳。
赤いフレームの眼鏡が…ムチャクチャはまってる…ホントにキレイな人…だ。
「ケガしてないか?」
「あ…ハイ!ダイジョウブです。ハイ。」
ドキドキしながらその人を見つめてると…
「早くどけー!」
「なにやってんだよ!」
とブーイングの嵐で…俺は慌ててパンを選ぶと逃げるようにしてその場を後にした。
「久遠!良く無事に帰って来れたな!」
戻るなり大葉が笑って迎えてくれる。
…けど…無事じゃないかもしんない。
指、腫れてるし。
「大丈夫か!?保健室行こうぜ!」
そう言う大葉に手を引かれ…保健室に向かった。
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