K I R I B A N
A

高校に入っても…これと言った楽しみもなくて。

何がしたいとか…
何になりたいとか?

そんなのはどうでも良かった。
ただ…
苦い恋を忘れる為に何かしなきゃ…って漠然とは思ってたけど。

「久遠!飯食おうぜ!」

同じクラスで仲良くなった大葉ってヤツ。

背は俺と大して変わんないけど俺よりかは幾分体育会系な体の作りをしてる。

趣味とかもそう違わないから一緒にいて気が楽。
スゴい居心地がいい。

「あ…ゴメン。俺今日弁当持ってくんの忘れちゃったんだ。」

「そうなんだ?じゃ…どっかに食いに行く?」

うーん…。
節約しなきゃだからな。

「確か…購買の前にパン屋が来るんだよな?」

そう言うと…大葉の顔があからさまにイヤだと語る。

「…なに。」

「ん…別に。」

「ヤじゃなかったら付き合ってよ。」

大葉は返事もせずに歩き出し俺はその後を追って行き…。

階段を降りきった先は…文字通りの黒山の人だかり?

我先にとパンを買うのに必死なヤロー達の戦いがアチコチで繰り広げられていた。

「なんだこれ!」

「久遠…幸運を祈る!」

そんな大葉に振り向きもせず戦場に突進して…戦いの煽りをくらったり揉みくちゃにされながらも何とか…前進して行った。


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あきゅろす。
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