K I R I B A N
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月明りが差し込む…
薄暗い部屋の中で目を覚ました。
枕元にある筈の携帯を手探りで捜し…掴んでフラップを開く。
時間は深夜…早朝?
まだ三時を少し過ぎたばかりだ。
俺の腕枕で眠る可愛い恋人を起こさぬよう…静かに腕を引いて身体を起こしベッドから抜け出す。
床に投げてあるスウェットを拾って履き…キッチンに向かい冷蔵庫から智愛用のウーロン茶を出し…そのまま口にした。
シンクに寄り掛かり顔を上げると、丁度正面には大きな月が出ていて…その淡い光がベッドに横たわる細い肩を照らしている。
いつの間にか俺の心に入り込み…気が付いたら俺の全てになっていた。
愛しい…俺の…智。
ウーロン茶を冷蔵庫にしまいベッドの中に戻る。
寒いのか…小さく丸まってる身体を抱き寄せサラサラの髪を撫でる…と。
「…ん…」
身じろぎ…まぶたが震えブラウンの瞳が姿を現す。
「ワリィ…起こしたか?」
「いま…何時…?」
額にキスをして。
「三時ちょい過ぎだ。」
んー…と小さく唸り俺の胸にすり寄る身体を抱き締め指先でなぞった。
「くすぐったい…」
呟く唇にキスして…ふと浮かんだ疑問を口にしてみる。
「お前…俺のどこに惚れたの?」
腕の中の恋人が…柔らかく笑った。
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