K I R I B A N
@

月明りが差し込む…
薄暗い部屋の中で目を覚ました。

枕元にある筈の携帯を手探りで捜し…掴んでフラップを開く。

時間は深夜…早朝?
まだ三時を少し過ぎたばかりだ。

俺の腕枕で眠る可愛い恋人を起こさぬよう…静かに腕を引いて身体を起こしベッドから抜け出す。

床に投げてあるスウェットを拾って履き…キッチンに向かい冷蔵庫から智愛用のウーロン茶を出し…そのまま口にした。

シンクに寄り掛かり顔を上げると、丁度正面には大きな月が出ていて…その淡い光がベッドに横たわる細い肩を照らしている。

いつの間にか俺の心に入り込み…気が付いたら俺の全てになっていた。

愛しい…俺の…智。

ウーロン茶を冷蔵庫にしまいベッドの中に戻る。

寒いのか…小さく丸まってる身体を抱き寄せサラサラの髪を撫でる…と。

「…ん…」

身じろぎ…まぶたが震えブラウンの瞳が姿を現す。

「ワリィ…起こしたか?」

「いま…何時…?」

額にキスをして。

「三時ちょい過ぎだ。」

んー…と小さく唸り俺の胸にすり寄る身体を抱き締め指先でなぞった。

「くすぐったい…」

呟く唇にキスして…ふと浮かんだ疑問を口にしてみる。

「お前…俺のどこに惚れたの?」

腕の中の恋人が…柔らかく笑った。


[*←前n][次n→#]

2/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!