K I R I B A N
C

それからまた少し走り…有名なデートスポットに到着。

「…ここって…。」

「なんだよ。」

「恋人同士で来ると必ず別れる…ってトコだよね?」

少しむくれた顔で俺を見上げる。
…そう言う事は良く知ってんだな?


「奉られてんのが女のカミサマだからだろ?お前は男だから大丈夫だ。」

有無を言わさず手を引いて車の外に連れ出した。

「ホントに別れたらどうすんの…?」

重い足取りに気付き振り返ると眉を寄せて不安そうな顔をする。

その頬に手を添えて。

「バカだな。別れたらまた一緒になりゃイイんだよ…てか俺は別れねぇけど。」

唇に触れるだけのキスをする。

「ここの頂上から見る景色…結構好きなんだ。だからお前を連れて行きたいんだけど?」

キュッと結んだ唇が緩く解け…やんわり微笑む。

「別れても知らないからね。」
「バーカ。お前が別れるっつっても離さねぇよ。」

手を繋いで歩き出す。
懐かしい感じの土産物屋の間を入り…頂上までのエスカレーターで昇ってく。

「…わ…スゴい!」

頂上に降り立った智が感嘆の声を上げた。

今日は快晴だから…海の向こうに隣りの半島が見え…その逆には富士山がうっすらと見えた。

「キレイだろ?」

笑顔で頷く智の唇に唇を重ねた。


[*←前n][次n→#]

5/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!