K I R I B A N
K ―良介SIDE―
…なんだってまたこんな展開になっているんだか。
楽しいはずのスポーツがなぜか賭チックになってしまっていて…。
「大葉っ!頑張ろうね!」
意外とギャンブル好きな俺の恋人までもが燃えまくっているしまつ。
「なんだ良介お前やる気ねぇのか?」
「…お前らほどはな。」
腕まくりをし準備万端整えた我が兄貴を見上げて大きく溜め息を吐く。
お前は…もっとクールな奴じゃなかったか?
「んじゃ行くよーっ!」
いつの間にかレーンの前にはボールを持ち、構えてる芹の姿が。
この早い展開に驚きつつ『頼むからケガだけはしないでくれ』そう思った…瞬間!
ガッコン!!
「ギャーッ!?」
芹の手から飛び出した重量級の塊が後に座っている柊の足元を直撃した!
「ゆうっ!?」
「芹テメー!俺をコロス気かっ!?」
青ざめた柊が物凄い勢いで芹に詰め寄った…が。
「ゴメンゴメン!なんかすっぽ抜けちゃったよ!てか柊ぃー…スッゴイ反射神経だね!」
柊の顔を見ながらニコニコしてる芹に脱力する。
奴もやはりそうらしく。
「…次はちゃんと前に投げろよな!」
そう言って苦笑いした。
「うんっ!柊も気を付けてよ!」
…何を気を付ければいいんだろうか?
そして…
なんだかんだ言いながらもゲームは終盤に差し掛かっていた。
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