K I R I B A N
I ―柊SIDE―

ハラハラドキドキな映画を観終え、テンション高めな俺達はそのままの勢いで階下のボウリング場へと向かった。

「よぉし!やるぞーっ!」

気合い満々で腕まくりをする俺の横で…ボスが珍しく大あくびをする。

「まぁ頑張れ。」

そしてスタスタと椅子に向かい腕を組み足を組んで…またあくび。

「今日もやる気ゼロだな?」

ニヤニヤと笑う佐古を見て俺もニヤニヤ。
でも今日は…やる気になってもらっちゃいますからね!

「兄弟チームvs筋肉チームでやろうぜ!」

二カッと笑う俺に弘樹の冷たい視線が注がれる。

「…筋肉チームってメンツは誰なの?」

「俺と佐古と…弘樹と西野。」

「筋肉ついてんのゆうと佐古だけじゃん!」

ごもっともなご指摘にみんな爆笑。
まぁこの際、そんな細かい事は抜きにして本題に入るぜ!

「次のカラオケ、負けた方のチームの支払いって事でどうよ!」

『ええっ!?』

予想通りの反応にニヤッとしながら、チラリとボスに視線を向ける。

「…いいだろう。その勝負、乗った。」

着てるセーターの腕をまくりニヤリと笑うボスに…俺も内心ニヤリ。
初めての真剣勝負に心も踊る…ってか?

「さぁ!張り切っていきますか!」

気合い十分な俺の後ろで…弘樹と佐古が同時に溜め息を吐いた。


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