K I R I B A N
B

教室でしたナイショのキスのおかげで再び胸がドキドキする。

《大葉の立場》ってのもあるから最近は学校の目立つ所であんまりイチャ付かないようにしてる。
だから早く寮に帰って大葉を独占したいんだ。

ギュッてして、してもらって…大葉が俺のモノだって実感したい。
俺が…
大葉だけのモノだ…って感じて欲しいんだ。

「…芹?」

隣りを歩く愛しい大葉を見上げて頬が緩む。
あぁ…
俺はこの人が大好きなんだって心の底から思う。

「どうした?さっきから黙り込んでるけど。」

そう言って…やんわりと手を握られる。
触れた掌から…俺の好きって気持ちが伝わればいいのに。

「ん?何でもないよ?」

いつもみたく笑顔を作ってみせるけど…。

「それ、作り笑いだろ?」

なんて…すぐバレちゃうんだよね。

「なにかあった?」

「…んー…。」

あったと言えばあったしナイと言えばナイんだもん…説明できないよね?
チラと顔を上げればいつもと変わらない大葉の優しい顔がすぐ側にあって…

唇が…重なった。

一瞬だけ触れた唇からぬくもりが消えて、なんだか急に淋しくなる。

「なんでも話してくれ。」

降りてくる優しい声に頷き…すぐ横にある学指コートの袖を無意識に引っ張って。

「大葉と…もっとイチャイチャしたい。」

そんなワガママを言ってみたりした。


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