K I R I B A N
D ―拓真SIDE―
目指す駅に到着しすぐ側の陸橋を越えて駅ビルに入る。
そのままエスカレーターで映画館に直行し…上映時間のチェックをした。
「始まったばっかだな…智、どっかで時間つぶすぞ。どこがいい?」
見下ろしてた腕時計から顔を上げ愛しい恋人を振り返る…と。
「あ、じゃあボウリング行きマショ!」
「えーまたぁ?僕はカラオケがいい!」
「俺はゲーセン。」
「僕はバッティングセンターに行きたい!」
「芹は?」
「大葉とならどこでも!」
ギャラリーどもが好き勝手な事言ってやがって…つか…。
「誰がお前らを連れてくっつった。」
連中を一睨みし智の腰に腕を回して歩き出す…が、その背中にヤツラからの視線を痛いほどに感じて…舌打ち。
「次の上映は二時間半後だ。…とっとと場所を決めやがれ。」
途端、ゲンキンなヤツラは大騒ぎしながらもジャンケンで行く順番を決めたらしく。
「まずは腹ごしらえしてそれからバッティングセンターに行きましょう。」
佐古の声を聞きレストラン街のある階へのエスカレーターに乗る。
「んで、映画観たらボウリングに行って最後はカラオケでっす!」
振り返りすぐ後ろにいる柊の襟首を締め上げて。
「誰がそこまで決めろと言った。」
「ボス、落ち着いて!」
「たくまっ!」
そして気が付けば…。
野郎八人でテーブルを囲み昼飯を食うハメになっていた。
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