K I R I B A N
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目の前にいる大好きな人を見つめて…もったいないけど瞳を閉じた。
「…芹…」
代わりに聞き慣れた声が優しく俺の名前を呼んで…嬉しくてつい口元が緩んじゃって。
「何か…変だったか?」
唇に温かな息がかかって答えようとしたそこに柔らかな唇が重ねられた。
「…ん…」
唇が何度も重なりゆっくりと舌が絡まる。
優しくて甘いキスに酔ったみたいにボーッとして…全てがとろんと溶けちゃうみたいな感じで…。
「お…ぉば…」
「…ん、なに…?」
キスの合間に名前を呼んで…大葉の首に両腕を回して。
「…エッチ、しよ?」
そう言って大好きな大葉の頬にキスをした。
「芹…だめだよ。」
ギュッ…って抱き着いた両腕を解かれ、やんわりと抱き締められる。
「なんで?…なんでダメなのっ!?」
ダダをこねる俺を困った顔した大葉がジッと見つめて。
「そろそろ授業が始まるし…ココの鍵も職員室に返しに行かなきゃならないんだよ?」
「…うー…。」
今はお昼の休憩時間。
大葉と学校で二人きりになりたい時は…こうしていつもこの会議室にこもるんだ。
ここなら誰も来ないし、鍵もあるし。
安心してチューもハグも出来るし…たまにエッチもしたりする。
「続きは…寮に帰ったらゆっくりしよう?」
やんわりと笑う大葉にギュウっと抱き着いて。
「…はい。じゃあ…最後にも一度チューして?」
伸ばした指先で俺の髪を優しく撫でてくれて。
「芹…好きだよ…。」
甘い声と甘いキスに…身体が熱くなった。
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