K I R I B A N
E
「アイツ元々は俺にホレてて、断ったら隼人に手ェ出したんだよ。」
そう…なんだ?
だから真奈サンは最初から佐古を知ってる風で、僕に敵意満載だったのか?
「隼人もアホだからな…ま、最後にはアイツにコップの水ぶっかけてフってきたんだぜ?」
"褒めてやれよ?"なんて耳元で囁かれて身体が熱くなった。
あれから隼人クンと三人でカラオケにきて、今はトイレの個室の中で佐古と…その…。
「…ッぁ…!」
僕のナカに挿し入れられてる佐古のがイイトコを何度も突き上げてくる。
冷たいドアに押し付けられて口を掌で押さえてても…突き上げる佐古のリズムのままにドアがガタガタと揺れてたら、声を出さなくたってバレちゃうよね?
「楓……楓、聞いてる?」
キモチ良くてどうにかなっちゃいそうなのに…佐古の冷たい指先が僕のアレを扱く度、たまんなくて一層強く口元を押さえた。
「愛してるよ。」
甘い声と共に頬に佐古の柔らかな唇が触れて…ゆっくりと振り返ればそこには僕だけを見つめる愛しい恋人の優しい瞳があって。
「楓が…好きだ。」
見つめ合って…唇を重ねる。
それだけで僕の全てが満たされるような温かい気持ちになるんだ。
「さ、こ…ッ!」
潤む視界の中、震える指先を佐古に伸ばせば…蕩けそうな笑顔が僕を見つめて優しいキスをくれる。
幸せ過ぎて…怖い。
「好、き…ぼくも、さ…こ!」
高められて頭の中が真っ白になってくけど…好きって気持ちをただ伝えたくて何度もそう告げた。
すると…抱き締めてくれてる腕にギュッと力が込められ耳元に唇が寄せられて。
「やべぇ…幸せ過ぎて怖ぇ。」
佐古が…僕と同じ事を思ってくれてるってコトが嬉しい。
「さ…こ…。」
「…楓。」
指先を絡めて手を繋ぎ…お互いの大切さを確かめ合う。
僕にとっては佐古が。
佐古にとっては僕が唯一の拠り所であるよう祈りながら。
僕らの行く先にはきっともっと高いハードルがある。
だけど…佐古となら乗り越えられるよね?
見つめ合ってキスして…更に深く繋がる。
愛して止まない佐古を見つめたまま…僕は…幸せの絶頂を迎えた。
―END―
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