K I R I B A N
D
初めての外でのエッチが終わって…僕とゆうは校内へ続くドアの前に座っていた。
「ッ…クシュン!」
「弘樹…意地張ってないでこっちにおいでよ。」
着てるコートの前を開いて祐一郎が僕を呼ぶ。
僕は…そんなヤツを軽く睨みまたソッポを向いた。
「も…悪かったよ。ゴメンね、ひろ?」
苦笑いしてるヤツに視線を向けて夜空を見上げて溜め息を吐いた。
仲直りのエッチが終わって帰ろうとしたら…いつの間にかこのドアには鍵がかけられていた。
…つまり僕らはこの寒空の下、ここの鍵が開くまで帰れないという訳で。
「お前が…エッチな事してくるから悪いんだからなっ!」
「だからゴメンって!」
キレてる僕に祐一郎が平謝りをするけど…この場合はむしろ僕も同罪だからね…。
「…もういいよ。」
そう言って立ち上がって祐一郎の前に進むと、僕を見上げたヤツがコートの前を開いて笑って。
「おいで?」
黙ったまましゃがみ、開いてるヤツの足の間にスッポリと収まる。
すぐにコートが閉じられて…僕らは軽い二人羽織状態になった。
「…バカ。」
「ゴメンね?弘樹があんまりにも可愛くてつい…さ。」
熱い頬に柔らかな唇が触れる。
「…ねぇ…?」
「ん?…なに?」
さっき聞こうとしてた事を思い出して後ろに座るゆうを振り返って。
「なんで『ありがとう』だったの?『ごめん』が普通なんじゃないの?」
ここに来るきっかけになった…知らない奴からの祐一郎への愛の告白。
やっぱり…ちょっと気になってしまった。
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