K I R I B A N
告白 〜柊x弘樹
告白…か。

俺達の一番最初って言ったら…アレ、だよな?
中学の…
卒業式の日の夜、俺んちで一緒に酒を飲んだ日。

久々に顔を合わした弘樹は…昔の面影バッチリの可愛さで。

『祐…なのか?』

そんな可愛い弘樹が俺を見上げて目をパチクリさせた。

『そうだよ弘樹。びっくりした?』

俺はと言えば。
たった三年の間に…背はグングンと伸びて体は筋肉質になってたし、声変わりも終わり髪は茶髪で当時はブルーのカラコン入れてて。
弘樹の知ってる俺じゃあなかったのは確か。

『三年振りの再会に乾杯!』
『卒業オメデトウ!』

グラスを合わせて一気に飲み干す…焼酎ロック。

『ニガッ!』
『マズッ!』

同時に吐きだし笑いあって…語り合った。

ホロ酔い気味の弘樹がやたらと可愛い。
ボタンを外したシャツからチラチラと胸元が見えて…。
ずっと恋焦がれてた弘樹の無防備な姿に…そそられない訳がナイ。

『セックスしないか?』

そんな俺の言葉に…

『せっくすぅ?いいよ?』

目をトロンとさせた弘樹が楽しそうに笑った。

腕を伸ばして抱き寄せて…クスクス笑ってる唇に唇を重ねた。

文字通りの…
ファーストキスだった。

あぁ…なんかほろ苦い。

初めて…好きな相手とするセックスだったのに…途中からシラフに戻った弘樹を無理矢理ヤっちまったんだもんな。
大事にしたかったのに…傷付けて、泣かせちまったんだ。

「…はぁ。」

溜め息。

「なに…どした?」

俺を見上げる弘樹をギュッと抱き締めて…額にキスをした。

「…ゆう?」

「弘樹の初セックス…あんなでゴメンな?」

今まで…言いたくて言えなかった"ゴメン"。
苦笑いした俺を弘樹の大きな瞳がいたずらっぽく見つめて。

「アレがなかったら多分僕はお前のモノにはならなかったと思うよ?だから、アレはアレでいいんだよ?」

そう言って…ニッコリと笑ってくれた。

「弘樹…」

「もう泣かさないでよ?」

可愛くて…愛しくて仕方がない。
俺の大事な弘樹。

「もう…泣かさないよ。」

壊れ物を扱うようにやんわりと抱き締める。
俺の胸に頬を寄せた愛しい恋人のこめかみに一つキスを落として…

「愛してるよ…ひろ。これからもずっとずっと…一緒に笑おうな?」

プロポーズにも似た弘樹への愛の告白。

それに気付き耳を赤くする弘樹をギュッと抱き締めて…額にキスをした。

―END―


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