K I R I B A N
告白 〜佐古x楓
俺の…恋人への、告白?
そりゃ多分、あれだ。
初めて…楓を抱いたあの日。
抱く前にヤツに言ったのがきっと俺の告白…だったと思う。
つか…それしか思い浮かばないんだが。
「…そんな事があったんだ?」
黙って聞いてた春日部がそう呟く。
実は初告白だったりすんだよな…この話。
楓が襲われそうになった話なんて今更思い出したくもないんだけど…。
「かぁっこいい!佐古もやる時はやるんだね!」
目をキラキラさせてる芹沢が少し興奮気味にそう言い、俺の隣りに座ってる楓は…苦笑いともとれる程微妙な顔をする。
「…なんだよ。」
「ん…なんでもないよ。」
だーからこんな話しなきゃいいのに!
なんだかんだ、ヒト悶着もフタ悶着もあって…輝かしい俺の経歴に傷が付いた訳だし?
俺は特別気にしてないが楓はいまだズルズルとその事を引きずっている。
「ま、なんつーか…。」
すぐ横にある楓の頭に掌を添え、撫でてやりながら。
「あの一件があったから俺達はこうして付き合う事になったんだしさ?あんま気にすんなよ。」
ネガティブな恋人は世話が焼ける。
…けど。
「ん…ありがと、佐古!」
そう言って笑った顔はバツグンに可愛い。
笑顔に戻った楓を真っ正面で見てた芹沢がニコニコしながら。
「西野ってネガティブなのかポジティブなのか分かんないね!」
そう言って笑い、隣りの春日部もつられて笑う。
そんな二人に触発されて少しずつ楓も変わってきて、日々魅力的になってく。
また…
もう少ししたらまともな告白をしよう。
今度はちゃんと心からの愛を語ろう。
楽しげに笑う可愛い恋人を見つめ俺もまた頬を緩めた。
―END―
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